何事も起きず、とは言えない

結局、昨日の内には大きなテロ事件は発生しなかった。


しかし、ムスリムに対する(無差別な)報復は各所で発生し、それが昨日の外出禁止令に繋がった。
その暴動で60人を逮捕したとの報道もありました。


スリランカ山岳地方の代表的な観光地であるハプタレーやエッラ。
その近郊で、大量の武器弾薬が押収された。
家の持ち主である男の別宅(デヒワラ近郊)でも、同じく大量の武器弾薬が見つかったというニュースもありました。


ホントに収束する様子が無いですね。


そんな状況下、世界各国でのスリランカへの注目度は、どんどん低下している。
テロとの戦いは、アメリカと中国の経済戦争に注目度で負けている。
Aljazeeraのイースターサンデイテロ特設ページは5月2日を最後に更新されていない。
スリランカの国民ですら、この異常事態に対する慣れが生まれ始めており、学校への出席率も上昇の一途。
私も、本日付で仕事に復帰。
5/16には日本から職人さんたちも到着する事になっている。


今朝、スリランカ日本人の大先輩から連絡を頂いた。
そこで意見の一致を見たのは、在スリ外国人としてどう振舞うかという部分。
常々、その先輩はおっしゃっている。
スリランカに住まわせてもらっている外国人として、我々は謙虚であるべき」


この状況では、その言葉の重さがさらに増す。


不用意に政治論争や政府批判、民族・宗教批判をする事は、極力避けるべき。
通常とは異なる高ストレス下に置かれているスリランカ人が、何をきっかけに外国人に牙を剥くか判らない。
スリランカ人が、冷静に自分自身のことを分析・批判できるようになるまでは、大人しくするべき。
外の人間として正義感を振りかざしたくなる事もあるかもしれないが、それはもっと後の段階でやれば良い。
スリランカ人に色々と聞かれても「知らない」「判らない」で通すのが無難ということです。
良い大人として自分の意見も言えないのか、と思われる方も居るかもしれませんが、それぐらい今の状況は悪いという事です。

全土で再び外出禁止令

不要な衝突やトラブルを避ける為でしょうか。
スリランカ全土で再び外出禁止令が発令されました。


4/21のテロから三週間以上が経過し、市民経済にも影響が出始めたようです。
というのも、知り合いから乗用車のハイヤーを利用しないかという電話が急増してきたのです。
電話の本人、兄弟、知り合いなどで、ハイヤーを生業にしている人たちの仕事が無いのです。
仕事が無い=収入が途絶える、ということで、その収入を車のローン支払いに充当して自転車操業している人たちを中心に、経済的危機が目立ち始めているのです。
私に出来る事は何も無いので、申し訳ない限りですが。

チラウで外出禁止令

あるムスリム男性がFaceBookに書き込んだチャッティングが、暴動に繋がりました。


ムスリム男性が書いたチャットには
「お前らの命もあと一日」などの文言があったとか。
これは5/13(明日)に大規模なテロが計画されている事に関連付けて、書かれた物でしょう。


これに反応したのがチャットの相手。


警察に通報し、自身もムスリム男性の元に向かう。
このムスリム男性は商店を営んでおり、居場所は明らかになっていたのです。


待てど暮らせど警察はやって来ない。
業を煮やしたチャット相手は、ムスリム男性に直接攻撃。
そして大騒ぎに発展。


こんな流れのようです。

銃刀法

政府も公に認めたみたいですね。
5/13にテロが計画されているという情報についてです。


軍も軍で、「通常の生活に戻るように」と声明を出した責任はどうなるんでしょうか。


そして、刀剣に関するニュースが出てました。
先週、記事にした奴です。
以下引用*******
  警察が不法に所持している刀剣や殺傷を目的としたナイフを届け出るようにという声明を発表。
  これで届け出たり提出したりする人が居るなら、そもそも犯罪なんか起きないと思うのですが。
  それと、根本的なことを言うと、刀剣の所持が不法であるという事が周知されていないし、
  例えばどのサイズから違法なのか誰も知らないという問題がある。
  これでは誰も届け出なんかしないと思う。
  我が家も隠匿しましたし。
*******引用終わり


ここで書いた、どのサイズから違法なのか?という部分に関してです。


なんと、6インチ以上は違法とのこと。
おおよそ15センチですね。
で、問題なのは、これが単純所持に対しての基準だという事と両刃に限定するとかって事も言ってない事。
ちなみに日本の銃刀法は簡単にまとめると以下の三点が基準になってます。

1.許可があれば所持できる刃物
 ex.日本刀とか槍、なぎなた など(持ち運びは、登録証と一緒に)
2.所持しているだけで違法
 ex.未登録の1.に属する刀剣類、刃渡り5.5cm以上の剣型(両刃)ナイフ、銃剣 など
3.一般の刃物
 包丁やカッターナイフなどの事で、「正当な理由無く刃物を携帯してはならない」とされる。

15センチを超える包丁やココナッツを割る鉈なんかは普通に家に置いてあるでしょ?
これが違法とされるなら、ココナッツを使った料理なんか出来ないよ。
自分が日本から持ち込んだ包丁4本も、すべて刃渡り15センチは超えている。
困りましたね。
見なかった事にしましょう。


それにしても、悪法ですね。
これを適用すれば、どんな人間でも逮捕できてしまう。
恐ろしい。


仮に、素直に15センチ以上の刃物を廃棄したとするじゃないですか。
悪党は、そんなこと無視するわけですよ。
となると、ある意味で善良な家庭の防衛能力が低下するだけ。
ってことは、強盗などに対する抑止力は下がりますよね。
良いんでしょうか?