ただいま

みなさん、ご心配ご迷惑をお掛けしました。
先月の27日からの入院生活にピリオドを打ち、無事にスリランカに帰って参りました。


一言でまとめると、デング出血熱という診断での入院。


経過
6月25日
前日のワールドカップ観戦での二日酔いを引きずっているのかなと思うような身体のダルさを感じる。夜、発熱。右目の白目部分が真っ赤に。


6月26日
38℃を超え、解熱剤を飲んで様子をみる。


6月27日
熱が下がらず、病院受診。
そのまま検査入院となり、点滴を受けながら採血。
採血部位が握りこぶし大の内出血。
夕方、デング熱との診断。


6月28日
再度血液検査。
血小板の数値が下がり続ける。
自分は標準でも20万以下という低めの数値だが、検査結果は3万。
血液凝固の時間も通常30秒のところ80秒以上かかるとの検査結果。
依然として高熱。


6月29日
依然として血小板の数値が低く、緊急輸送の可能性が浮上。
熱は下がり始める。


6月30日
血漿輸血を行うも、数値は回復せず。
安静状態での出血によるショック死を心配するレベルとのことでバンコクへの緊急輸送が決定。


7月1日
熱は平熱に戻る。
夜中にバンコクへ緊急輸送。
出血の危険を最小限にするために、歯磨き、髭剃りも禁止される。


7月2日
早朝にバンコク到着。
胸部レントゲン、エコー検査、採血の後ICUに収容。
血小板の値が2万まで低下。


7月3日
点滴での栄養補給を続け、絶対安静。


7月5日
血液検査の結果、数値に回復傾向が見られたので、ICUから個室へ移動。


7月6日
体調は回復の兆し。
点滴は継続するも、通常の病院食を開始。


7月7日
血液検査の結果は順調に回復。
点滴を外し、病院内での移動を許可される。


7月8日
左腕の内出血が腕全体に広がり、右目の毛細血管も切れる。
出血傾向は依然として継続。
血漿成分が血管から漏出するため、血圧も低い。
同時に赤血球も漏出するため、体幹部に湿疹が発生。
頭痛、立ち眩みも。


7月9日
血液検査の数値は回復しつつある。
しかし、出血傾向は相変わらず。
翌日の血液検査でスリランカへの帰国を判断するとのこと。


7月10日
数値が充分でないため、帰国は延期に。


7月11日
食欲も回復し、病院食だけでは空腹を満たせない状態。
出血傾向も収まり始め、腕の内出血も縮小。


7月12日
ブータン隊員がスリランカ任国外の帰路に病院へお見舞いに来てくれた。
ありがとう。


7月13日
血液検査の結果、数値改善。
15日の退院が決定。


7月14日
体調すぐれず。
食欲はある。


7月15日
朝9時の便でマレーシア、シンガポール経由、コロンボ着で帰国。


デング熱は一度罹患すれば永久免疫を獲得する。
しかし、デング熱には四種類のウィルス型が存在し、理論上は四回デングになる可能性が有る。
また、二回目に罹患すると一度獲得した免疫抗体が過剰反応を示し、出血傾向を伴って重症化する。
今回の重症化は、二度目の罹患の可能性が有るとドクターに言われた。
デング熱は通常の風邪と似たような症状を示し、さらにはデング熱用の特別な治療が存在しないため、普通の風邪と同じような治療をすることで完治してしまう。
その為、デングに罹患した事を本人が知らないということも起こりうるのだ。
俺も、その可能性があるとのこと。
追記:帰国後にメディカルレポートを見ると、抗体検査のうちIgGの反応がポジティブとのこと。通常、一回目のデング熱ではIgMがポジティブになり、二度目の罹患ではIgG-ポジティブIgM-ネガティブになるとのことで、二度目のデング熱罹患がほぼ断定された。


入院当初、高熱にうなされ体調は最悪。
バンコク移送時には体調は回復していた。
その状態での緊急輸送に多少の疑問があったのも正直な感想。
しかし、体調という主観的なモノサシではなく、血液検査という科学的なモノサシで見ると、出血性ショックでの死亡を心配するほどの状態だったとの事。
緊急移送の判断を下してくれた医療調整員の方に感謝せねば。
ありがとうございます。
お陰で無事に帰ってくることができました。


今回の事で、図らずもデング熱に詳しくなりました。
一番大切なのは、罹患しないという当たり前のこと。
その為には、普段からの防蚊対策と体調管理。
蚊除けのスプレーやクリームを常用し、蚊に刺されないことが大事。
健康体の維持は全ての病気に対して最も有効な手段。
自分も体調が良ければ、例えデングウィルスを持つ蚊に刺されても発症しなかっただろう。
普段からの食事や適切な休養が健康体を作る。


そこの女子!! 多少の体重増加は気にするな!!
そこの男子!! 酒ばっか飲んでないで休肝日もつくりなさい!!





バンコク滞在中も、メールをたくさん頂きました。
ご心配、ご迷惑をお掛けした皆様。
本当にありがとうございました。


完全復活にはもう暫く時間がかかりそうですが、ぼちぼち活動再開していきます。
ちなみに肝臓が弱っており、飲酒厳禁となっておりますので「退院おめでとう!!かんぱ〜〜い!」とはいきません。お酒は勧めないでください。


さっきも書きましたが、入院中デングについて調べまくった結果、現在かなりの情報を持っています。
デングについて聞いてもらえれば、その症状から予防対策、出血熱の怖さなど話せることはあると思います。
入院のウラ話も含め、興味のある方は個別に聞いてください。


以上、デング出血熱の顛末でした。