コロンボ行き早朝バスの話

昨日、コロンボ行きの直行バスがあるという話を書いた。
それについての補足を。


私の住んでいる町からコロンボに行くには、
1 ピリマタラーワまでバスで行き、コロンボ行きに乗り換えるというルート
2 キャンディまで出て、キャンディ発コロンボ行きに乗るというルート
そして、
3 ポッタピティヤ発コロンボ行きのバスに途中で乗り込むというルートがある。


時間がない時は、1で行く。
ピリマタラーワ・キャンディ間の往復分の時間が必要ないので、
家からコロンボまでは3時間半ぐらい(バス待ちの時間を含まないで)。
2で行くと、4時間半ぐらいかな。
時間は余計に掛かるが、確実に座れるというメリットがある。
そして3では2時間半。
家から歩いていけるバス停で乗れるということと、時間の短さは魅力だけれど、
早朝四時の一本だけ。
しかも座れるかどうかは分からない。
月曜日や祝日明けなんかは、毎日の通勤者に加えて、
休みに帰省した人たちが乗り込んでくるのでまず座れない。
なので、週の真ん中とかしか使わないです。


今回は運良く座れたのですが、奥さんとは離れ離れの席。
コロンボに向かって山を下っていくのだが、それはもうかなりのスピード。
国道一号線とはいえ片側一車線の峠道。
カーブのたびに身体が左右に振られ、寝るのはシンドイ。
山を下りきってしまえば、なんとか寝れるのだけれど、
今度は、急ブレーキ急発進で前後に揺らされるので、これはこれでシンドイ。


そして、そうやって揺さぶられることで発生する現象といえば、
そう、スリランカではおなじみの嘔吐。


山道を下っている間中、あっちでゲーゲー、こっちでゲーゲー。
幸いにもACバスではないので窓は開いている。
なので特有の酸っぱい匂いは嗅がないで済んだけれども、もらいゲロしそう。
二列前の席にこちらに顔を向けて寝ている二歳ぐらいの子供がいたので、
その可愛らしい寝顔を見ながら気持ちを落ち着ける。


すると突然その子がゲーゲー。


確認すると全部で四人。
窓から外に吐くのがデフォルトだけれど、それをしているのは二人。
子供は母親が用意したビニール袋にプチゲロ。
そしてもう一人の女性は俺の席からはよく見えないが前かがみで吐いている。


山を下りきってしばらくすると、ゲロの大合唱は沈静化するわけだけれど、
その女性は30分おきぐらいで、思い出したようにゲロを吐く。
それも、なかなかの大音量。
私の隣に座っていた中年のおっさんも、眠りを妨害されたようで、
ちょっとイライラ。
俺と目が合うと、手を広げて肩をすくめる。
そう、欧米人どもが『Oh〜マイッタネ』という意味で使う、あのポーズをする。
俺も苦笑い。


コロンボに近づくと道路にも車が増え始め、
アホみたいなスピードでは走れなくなる。


「やっと落ち着いて眠れるなぁ」


そんな事を考えながらウトウトしていると、
コンドストラ(車掌さん)の甲高い叫び声で起こされる。
「あんた達は、なんで注意しなかったんだ!!」


??


なんだ?


その時はまったく理解できなかったが、後から奥さんに事情を聞いた。


例の吐き続けていた女性が事件を起こしたのだ。
私の奥さんは通路側の席、その一列前で右の窓際の席に女性は座っていた。
つまり奥さんの斜め前の席ね。
で、その女性。
ゲロをバスの床にまき散らしていたらしく、
そのままでバスを降りていったらしいのだ。
女性とその連れの男性がバスを降りた後、状況に気づいたコンドストラが、
周りの乗客に怒りをぶつけたというのが、さきほどの叫び声の真相らしい。


床に吐く女性も酷いが、それを周りの人間にあたるコンドストラも救えない。
でもまぁ周りの人もビニール袋とか持ってなかったのかな?という疑問は残る。