スリランカの正式な国名は、Democratic Socialist Republic of Sri Lanka。
日本語表記では、スリランカ民主社会主義共和国。
この表記によって、スリランカ=社会主義国家と捉えている人が多くて、首を傾げたくなる時がある。
一括りに社会主義としてしまっている事による弊害です。
例えば、社会民主主義と言われるものは、社会主義国家の旧ソ連に対抗して出来上がったものです。
それでも、2つとも同じ社会主義だと思われている。
社会民主主義(民主社会主義)を標榜する代表的な政党にはイギリス労働党があります。
トニー・ブレア、ゴードン・ブラウンは、この党の党首でした。
彼らはイギリスの首相になっています。
イギリスを社会主義国家だと思っている人、居ますか?
あと、たまに酷いのになると「スリランカは独裁国家ですよね」とか平気で言う。
共和国ですから、基本的には君主も専制者もいません。
居るとすれば、国民によって選ばれた擬似専制者。
社会民主主義の経済政策として、自由競争・市場経済重視というのがある。
と同時に、それによって起こる弊害や社会的な問題を是正するために監視・管理・規制・禁止・介入を積極的に行うとしている。
これが一部の人からすると、いかにも社会主義的なやりかただと思われる結果になる。
スリランカではガソリン・コメ・小麦・砂糖・酒・タバコなんかが価格統制を受けている。
社会主義っぽいですか?
でも日本でも同じことですよ。
日本でも小麦は政府による価格統制が行われてますし、銭湯の入浴料とかも政府決定ですよ。
日本は社会主義国家ではありませんよね。
なんだか自分たち(外国人)に都合の悪い政府決定を、社会主義という名のもとに一括りにして批判しようとしている感じがする。
自由経済による弊害として代表的なものは価格の乱高下と富の偏在でしょうか。
完全に自由な経済を実施してしまうと、スーパーマーケットが田舎に進出し、小売店が淘汰・閉鎖され、残ったスーパーがコスト削減で生鮮食品の扱いを止め、地域住民は野菜が食べられない、なんてことも起こる。
それで再度、小売店を立ち上げるのも自由ですが(自由経済なので)、住民生活は安定しない。
日本ではスーパーマーケット法で色々と規制されてます。
社会民主主義の経済政策と一致します。
富の偏在を是正するのに、相続税を課してます。
社会民主主義の経済政策と一致します。
スリランカも日本も、やってることは別段変わらないです。