バス通勤から見える、スリランカ人気質

朝晩と職場にはバスで移動している。
スリランカで働いている日本人では、バス移動は少数派(というか数名ではないでしょうか)。


そんな少数派のバス通勤者としては、バスの様子を報告するのも大事なことでしょう。


鉄道が日本ほど発達していないスリランカでは、まさしくバスこそが庶民の足。
最近でこそ自家用車やバイクが増えているけれど、間違いなくバス通勤・バス通学が一番多い。
Lanka Ashok Leyland(インドのAshok Leylandから輸入して販売する地元の会社)の車両がほとんどを占める。
運転席のすぐ後ろは、お坊さんの優先席。
その他、妊婦さんやお年寄り障害者の優先席も設定されており、日本よりも利用者の意識は高い。
妊婦さんが乗ってくれば、すぐに数名が席を立つほど。
また荷物を抱えている人が来れば、その荷物を座席に座っている乗客が持ってあげたりということもごく普通に行われる。


逆に、満員状態でカバンを背中に背負ったままでいたり、歩きながらカバンで頭を小突いて行ったり(ワザとではなく)、足を大きく広げて着席、貧乏ゆすり、痴漢、あと上で書いた荷物あづかりを意思の確認なくいきなり膝上に載せてきたり、といったあたりは日本よりもマナー軽視かなと思う。


今日、窓側の席に座った私の隣に中学生ぐらいの男子がやってきた。
座る時、肩に掛けた荷物が私の肩に勢い良くぶつかる。
大股開きで座った彼の右足は、私の領域に大きくはみ出してきて、私の左足に子供ならではの高体温を伝えてくる。
追加でやってきたのは、高速の貧乏揺すり。
ガムをクチャクチャと噛み、噛み終わったガムを窓側の私の方へ乗り出して来て、窓から吐き捨てる。
なんとも不快指数の高い子供です。


彼のせいではない。
親の教育だ。




スリランカ人は概ね親切です。
ただ私が感じるのは、「順番が違うんじゃないの?」ということ。
妊婦さんやお年寄りに席を譲るのは素晴らしい。
でも他人に迷惑をかけないとか、マナーやルールを守るというのが先ではないかと思うのです。


スリランカでは「人の目に付かない善行」というのが、あまり受け入れられない。
善い行いというのは、飽くまでも人に評価されるためのツールなのです。


「私は何も悪いことしていないのに・・・」とか「私はこうやって徳を積んだ」とか、そういった言葉が日常的に聞こえてくるのは、私の感覚としてはあまり気持ちの良いものではない。




この辺り、スリランカに住んで6年近くですが、まだスッキリしないです。