15歳で

今住んでいるネゴンボの家。
近所の住人は質素で慎み深く暮らしている。
というよりも、そうせざるを得ないぐらいの収入だと云うこと。


その中の一つの家族。
子供を産んだ時の年齢が、奥さん15歳だと。
今ではその子供も12-3歳なので、奥さんも30歳近い。


こういった家族が、この一帯にはいくらでも居るようです。
ムスリムなわけではないので、法律的に結婚もできずに暫く事実婚状態を維持した後に婚姻届を提出したらしい。


そんな若くして結婚した奥さんは、やはりというか当然のごとく廻りの世界を知らないし、社会性が低くならざるをえない。


うちの妻が、その奥さんと立ち話をしたらしく、色々と状況を教えてくれた。


この一帯は、炊事の燃料とするべきものが手に入りづらく、薪でもなんでも購入しなければ不足すると。
しかし、お米の集積地が近くに有るので、籾殻は手に入る。
それで料理をしようとすると、上手く行かない、とか。


燃料を節約する方法を知らないので、原始的な石を三つ置いただけのカマドで料理しているらしい。
これでは燃料効率も悪いし、薪がいくらあっても足りない。
そこで、籾殻やおが屑を使うことのできるカマドを紹介してあげたらしい。
どうも、初めて見るらしく「こんど見つけたら買ってみる」となったよう。
その話を聞いて、今家にある奴を進呈することにした。


どうせ、たまにしか使っていないし、この人達なら私より大事に使ってくれそうなので。
安いものだしね。


火の付け方とか、火力を維持するのに、ちょっとしたコツがあるのだけれど、それを教えてから渡す。
その旦那の弟も数年前に結婚して、二家族で同居。
その奥さんも当時15歳だったとか。
もちろん、その奥さんもこのカマドの事は初見ですので、興味津々。
「こんど見つけたら、買ってきてあげるからその時までは共同で使ってね」と言っておいた。
数百ルピーのシロモノですし、これで彼らのQOLが向上するなら、こちらも嬉しい。