シッシャッテ

小学校の5年生ですかね?
Grade 5 Scholarship Examinationと英語では表記するので、そうゆう事なんでしょう。
理解力と言うか、学習したことに対する到達度を測る試験の名前です。


この試験にパスすると地域の有力校への進学の道が開かれ、将来の大学進学へと繋がるため、親の期待は凄いものがある。
この試験専門の塾とかが存在して、結構な人気だと言えば、その重要度が伝わるでしょうか?


200点満点です。
私の妻も、過去にはこの試験をパスし、田舎から出て、キャンディの学校に進学した。
その時の基準点は150点ほどだったとか。
つまり、到達度75%。
この基準に達すれば、進学時の学校選択の自由度が増すわけだ。


最近ではこの基準も上がってきているようで、150点では勿論パスしない。
今年で言えば、168から162の間(地域や言語による格差を是正するので、全国で統一ではない)。


で、この試験の結果が発表されると、それぞれの学校の校門とか通学路とか大きな交差点に、高得点を叩き出した子供たちの写真が一覧にされて掲示されるというのが、一つの風物詩。
プライバシーとかありません。
今住んでいるバンダーラウェラでいくつか見て、一番成績の良かった子は195点というのが居た。
到達度、脅威の97.5%。
まさに「末は博士か大臣か」と言う感じでしょうか。


この子が所属する学校は、恐らく元々賢いところなんでしょうね。
頭の195点から160点ぐらいまでで、50人ぐらい掲示されてた。
何人規模の学校なのか知りませんけど、到達度80%以上の子供が50人は居る訳だ。






これが、我々の現場の一つである田舎町(バンダーラウェラから車で40~50分)に行くと様相は一変する。


まず、ポスターに表示されている人数が10人ほどと、極少数。
そしてトップの子が164点でした。
つまり到達度82%。
二番目の子は120点台。
急激に落ちる。
そして、リストの末端に載っている子は、驚きの60点台。
日本的に言えば、到達度30%で赤点ギリギリのライン。
わざわざ掲示するのも可哀想な気がしますけど、恐らく、この学校は所属生徒全員を掲示しているんでしょうね。


ちなみに、スリランカでトップレベルの子供たちは、ニュースにも出てくるし、ネットでも普通に掲示されたりしている。
2018年で見ると、トップは199点で二人。
198点が三人。
そして197点が一人で、196点が23人。


この点数が、将来の職業や収入にある程度反映されるのが、今のスリランカの現状。
もちろん「シッシャッテにパスしなかったけど、大学には進学できた」という子も居るにはいる。
ですが、基本的には少数でしょうね。
この試験にパスしないと、進学時の学校選択の自由度が下がり、家から近い学校に進学することになるので、その家チカな学校が有力校だったらいいけれど、そうでなければ、教員のレベルも落ちるし、切磋琢磨しやすい環境で無い可能性が高い。
すると、自ずと学習環境が整わず、Oレベル、Aレベルの試験を落とすことになる。


大事でしょ?