日本のメリット

日本がスリランカにワクチンを提供するメリット、もしくは少なくともマイナスではない点を考えてみたい。


どのような形で提供するかによるけれど、取り敢えずはシンプルに無償提供するパターン。



まず1つ目は、余って消費期限を迎えてしまうワクチンの有効活用。


日本はファイザー、モデルナ、ノババックスの三社(全てアメリカの会社)から合計で3億回以上摂取できる量を確保している。
なぜこんなにも多く確保したのか?


9月ぐらいまでに接種対象となる16歳以上の国民およそ1億1000万人の分は、順次到着して来る。
その後も16歳を迎えて新たに対象となった人に向けても確保する必要があるので、当座の必要量よりも多く確保することとなっている。
少なくて接種できない状況が生まれることを回避する為にも多目に確保するのが当然だし、小瓶の容量は7回摂取できる量とされているが、注射器内に残ってしまう量を考慮すると5回になる。
なので一人2回接種で1億5000万人分。
それを7分の5すると1億1000万弱なのです。
つまり、それほど多い訳では無いのですが、ジャストインタイムで上手に使い切れない物も出てくるので、さらに追加での確保や国内での製造も手配している。
そして、使い切れないと判断されたものは捨てるしかなく、それなら近く期限を迎えるものから順に確保できてない国に送ろうというのは、純粋にコロナ沈静化に寄与できる。


2つ目は中国からのワクチンに期待したほどの効果が無かったと判明しつつある現状があって、そんな中で他国製のワクチンを欲しがっている国に手を差し伸べる事は国際的な立場を良くするという事。
中国製ワクチンの摂取率が50%を超え、集団免疫を確保したと思われていた中東や南米の国で、感染爆発が起きている。
これで中国ワクチン外交が裏目に出ており、そこにチャンスがある訳です。
人の命を外交のチャンスと捉えるのに抵抗があるという人も居るかもですが、効果のないワクチンでいたずらに影響力を拡大しようとすることも弊害が大きいのは確か。


そして、対スリランカという事で言えば「困った時に助けてくれるのはどこか?」って事を再度理解してもらうのに良い機会。
国同士の信用を過去に損ねたインドネシアスリランカには援助する必要は無いと言う意見も多いですが、お金ではなく人命であれば支援するのは良いと思う。
これで思い直してくれれば安いもの。
なぜなら、放っておけば期限切れになってしまうワクチンなのですから。


できれば、日本から60万回分を提供すると同時にアメリカからも提供してもらえるように日本政府から働きかけて欲しい。
踏み絵みたいなもんですね。