外国人オンリー政策

スリランカ観光局は「外国人オンリー」を掲げるいくつかの施設に対して免許の取り消しを含む厳しい措置を行うと表明した。


ホテルやバー、駐車場での優遇、外国人用トイレなどを含む様々な施設において、地元民よりも外国人に優遇措置がとられているとのクレームに基づいた措置とのこと。


曰く
「私達の憲法は全ての市民に平等な権利を保証している」とのこと。


外国人専用とした施設側の思惑を考えたほうが良いかもね。
金払いが良く、施設を清潔に使い、他者への迷惑行為をしない客層が外国人だったという事では無いでしょうか。
飛行機の利用態度を見ればスリランカに入国する前から理解できる。
スリランカ人が座った席の下にはゴミが散乱し、土足でシートに登る子供を自由にさせている。
これを次のフライト用に整備するには手間とコストが掛かるのは自明。


同じことがホテルやバーなどの観光施設でも起きる。


ただし、観光局の言う事も理解できるので「外国人オンリー」の次の手段としては価格上乗せ。
施設利用料や飲食アイテムを値上げして客をスクリーニングする。
バックパッカーの溜まり場として有名な安宿やゲストハウスが、値上げをして客層が良くなったという話はいくつも例がある。


もしくはマイルドなドレスコードを設定して、それを理由に地元民を排除。
これもアジアではよく見るし、逆に中南米では外国人(特にアジア系)排除の方法として採用している店もあった。


ここで問題になるのは「外国人料金」の存在。
他の国ほど極端では無いけれど、有名な観光地では地元民の10倍以上の値段設定をしているとこも多い。
こうした料金設定をしている観光地では立地の良い場所に外国人専用の駐車場を設けていたりする場合もある。
これはホテルがスタンダードタイプとスーペリアルームで設備に差を付けていると同等な行為と考える事が出来る。
飛行機のエコノミーとビジネスの考え方も同じ。


外国人料金の是非については、個人的には「まぁ仕方ないかな」と思っている。
比較的裕福な人からは多めに徴収するというのは合理的だし、値段に見合った魅力が在ればそれで良い。
料金を英語で、地元民の価格表はローカルの言語で表記と言うのは、価格差を外国人に悟らせない為の配慮とも考えられるけれど、ローカル言語を理解することの出来る外国人にとっては逆効果でもある。
でもまぁそれは絶対的少数ですからね。


上に書いたように「私達の憲法は全ての市民に平等な権利を保証している」と言うのは人種、宗教、言語、カースト、性別なんかの事を言ってます。
ここからは経済的格差の概念は抜け落ちている。


コストや手間を考えて「外国人オンリー」にしたが、クレームによって撤廃するとしよう。
いくつかの施設では「外国人離れ」が起きる。
それを嫌がった、あるいは経営が傾いたところで値段設定を上げる動きが出る。
すると客層が良くなって経営上向き。


これってサービス内容は変わってないのに値段が上がってることになりません?
客は得してないですよね。


こうして経済格差によるスクリーニングが完成し、それによる棲み分けが出来上がる。


一にもニにも施設側に相応の魅力があるというのが前提ですが、一見さんである観光客には解りづらい。
それもネットによる利用者の口コミ文化で変わりつつありますが、まだまだ不誠実な店や施設も存在してます。


いずれにせよ明朗会計や税込価格表記が当たり前の社会で暮らしていると、いわゆる途上国の個人商店なんかで買い物をするとスッキリしない感覚は生じる。


観光局が誰のための組織なのか不明ですが、クレーム処理のケーススタディとして今後の推移が興味深い。