HIROSHIMA

スリランカでも「ヒロシマナガサキ」という名前は有名。
それでも名前だけしか知らないという人が多い。


うちの嫁さんも、その部類に属する。
先日、協力隊員の有志による原爆展を一緒に見に行ったが、
それで興味を持ったらしく色々と聞いてくるので、
すこし説明をした。


1945年の今日、8時15分に原爆が落ちて
10万人以上(諸説あり)が亡くなった事。
爆心地の地表面温度は6000度。
ニキロ以内の建物は爆破と同時に消滅。
エノラ・ゲイパイロットは戦争を終結させた英雄として扱われていること。
アメリカだけでなく、イギリスのチャーチル首相も原爆使用を承認していた事。
日本の帝国主義
スリランカへの爆撃。
ジャヤワルダナ大統領の言葉。
アジア各国の独立。
日本の戦後補償。


こんな事を説明する。
スリランカの学校では近現代史はほとんど扱われていないのか?
世界史を専攻していない自分でも知っている事柄を
奥さんはまったく知らない。


寝物語に色々と話していたら、奥さんがこんな事を言い出した。
スリランカLTTEで大変だった。仏歯寺の爆弾テロも怖かった」


なんと、1998年1月25日に発生した仏歯寺でのテロ事件に、
間近で遭遇していたというのだ。
当時、キャンディの学校で寄宿生活を送っていた彼女。
仏歯寺から600メートル足らずの距離にホステルがあり、
朝、学校への登校準備をしていた時に爆発音が響き渡り、
その後に地震のような振動が伝わってきたらしい。
内戦中とはいえ、主戦場は北部や東部。
キャンディでは爆発音を聞くことも無く生活していたので、
何の音なのか解らず、ぼーっと立ちすくんでいたようだ。
そこに、東部出身の同級生が駆けつけてきて、
「あれは爆弾!!はやく隠れて!!」
と、家の中に引っ張りこんでくれたらしい。
振動に弱いスリランカの建物たち。
ガラスが割れて落下してきて、手や顔を切った人も居たというので、
彼女の同級生には心から感謝したい。


原爆の話から思わぬ展開があったけれど、
とにかく、戦争で亡くなった人々に祈りを捧げることにして、
一分間の黙祷。


他人の起こした戦争なんかで亡くなるなんて、悲しすぎる。