第一回 調停(監督署)

14時からとのことで、妻と早めにニゴンボ入りしてランチ。
といっても、手元のお金が少なくなってきているので、ちょっとしたパンを買って、ビーチで食べるだけですが。


労働監督署には13:45ぐらいに着いた。
相手はまだ来ていない。


担当の係官を探すが今日は休みとか。
「えっ?じゃぁ誰が・・・・」と思っていると、基準局の一番偉いマダムが対応してくれるようだ。


14時を過ぎた頃に、相手到着。
現場のスーパーバイザーと弁護士を引き連れている。


マダムに呼ばれて部屋に入る。


マダム「7月分と8月分の支払いがされていないそうですが、事実ですか?」
弁護士「事実です」
マダム「今日支払う用意はありますか?」
弁護士とスーパーバイザーが通訳して答える。
弁護士「調停が全部クリアになるなら払うが、一ヶ月分の保証金は払わない」
マダム「調停と関係なく、行われた仕事に対して対価を支払うのは強制的事項です」
弁護士「一ヶ月分の保証を払わないという条件でしか、7月分と8月分の支払いはしない」
マダム「・・・。もし、そういった対応をするなら、裁判になって彼(私の事)に対するEPFも支払うことになりますよ」
弁護士「彼は雇用契約ではなく一時的な業務委託なのでEPFの支払いは発生しない」
マダム「では業務委託の契約書を見せて下さい」
弁護士「・・・ありません」
マダム「・・・無いの?それでどうやって業務委託だったと証明するんですか?」


そこで相手が書類を出す。
社内で使用した出金伝票。
販売促進費という科目で書かれた紙ペラ。
サインもない。


マダム「こんなサインも何もない出金伝票が証拠になりますか?」
弁護士「・・・」


そこで相手側がさらに紙を出す。
弁護士「彼は退職する際にスポットクーラーとウォーターフィルターを盗んでいった」
(この事は後で書くとして、マダムとのやり取りのみを記します。)
マダム「警察にクレームしたんですか?ではその問題はそちらでやって下さい」
弁護士「・・・」
マダム「従業員ではないと言いつつ、業務契約の書類もない。一時的だと言いつつ、期間の定めもない。支払いしたと言いつつ、サインもない伝票のみ。どうするんですか?裁判になったら痛い目見ますよ」


ここで弁護士が本音を吐く。
弁護士「裁判になるなら私はありがたいですよ。ただ、それはマトモな裁判であれば良いですけど、こんな状況では私も弁護しづらい。この人には支払いするように説得してるのですが聞く耳を持たないんです」
マダム「とにかく、書面では7月分と8月分、そして一ヶ月分の保証を求めています。給与支払いは強制的事項ですし、事前通告無しの解雇は一ヶ月分の保証をしなければならないと法律でも決まっています。これが雇用ではなく業務委託であると主張するなら、彼には補償費を再計算してもらわなければなりません。いくら要求しますか?」
ワタシ「もうすでに7月分は二ヶ月も遅れているし、業務で引っ越ししたのに再引っ越しの車も出されなかった。今日ここに来るのにも交通費と日当を考えると一ヶ月分の保証では足りない。正当な給与支払いと3ヶ月分の保証を要求します」


弁護士が伝えて、彼は激昂。
マダムの机を叩きつけながら「そんなもの払えるか!!」


マダム「(イラッとしつつ)では幾らなら払えますか?」
弁護士「7月分と8月分だけです。保証金は払いません」
マダム「・・・。殴りつけたくなるわね(シンハラ語)」弁護士通訳せず。


ワタシ「今日払うのであれば、一ヶ月分の保証だけで良いですよ」
マダム「こう言ってるけど、どう?」
弁護士通訳、相手「No!!」


マダム「いずれにしろ、今日払えないのであれば次回持ってきて下さい。言っときますけど7月分と8月分は調停と関係なく強制事項ですからね。彼にもそれを伝えて下さい。そして、次回は補償費の事を詰めますので、14日にもう一度来て下さい」
弁護士「納得しないと思うけど、伝えます」


支払いを今日中にしなくて済んだことで有利なのだと勘違いしたのか、もしくは嫌がらせが成功していると思ったのか、彼は去り際に日本語で言いました。
「文句があるなら叫んでみろ」
私の肩に手を置いて、こんなセリフを言うのです。
ワタシ「ここで叫ぶほど常識のないことはやらない。貴方じゃないんですから。それと肩から手をどけろ」


上機嫌で退出する彼。
受付の男性に「バイバーイ」と言いながら去っていく。
その後姿にたいして、受付係はボソッと呟く。
「ああいう輩は痛い目見ればいいんだよ。いま、裁判3つも抱えてるんだよ」


自分が嫌われていることに気づかないのか、気にしないのか?


そうそう、荷物を盗んだとか言う話。
1月の段階でワタシと妻が引越し準備をした日です。
マットレスやらなんやらを購入した後で、彼が言った。
「家に使わなくなったスポットクーラーとかあるから、持っていけ」
扇風機もあるので、必要ないのですがくれるというなら貰う。
なので、妻と彼と三人で家に向かい受け取った。


それを今になって盗まれたから返せと言っているのです。
しかも、スポットクーラーは良いとして、ウォーターフィルター。
彼が私に渡したのはウォーターサーバーであってフィルターではない。
ユニリーバ製のフィルターは自身で購入したもの。


なのに、会社のレターヘッドを使って警察に正式にクレームを出している。
こんな事に対応してたら、貰っても居ない冷蔵庫だ現金だと請求されかねない。
面倒ですが、これも対応しなければならないなぁ。