使用禁止、そして燃えないロウソク

先週から作成しているロウソク。
カラフルな五色のロウソク。


色合いもポップで完成度も高い。
お祈りの時にオイルランプ代わりに使ってもらえたらと考えて、世界遺産「仏歯寺」の門前市に提案しに行った。
その時自分は同席していなかったので詳細は不明だけれど、売り込みに言った隊員曰く
「懇々と説教された」
との事。


何故か。


元々このロウソクの色は仏教旗をモチーフにしている。
仏教旗とは何か?
「六色仏旗」「六金色旗」とも呼ばれる旗で、スリランカ発、世界仏教徒会議公認の仏教を象徴する旗なのです。

これは新年に「聖なる山 スリパーダ」で撮った写真。
右上にぶら下がっているのが仏教旗ね。


この旗の五つの色にはそれぞれ意味がある。
本来は青色が左に来るようにするのが正解で、
左から順に、
青・仏陀の頭髪の色で「定根」
黄・仏陀の身体の色で「金剛」
赤・仏陀の血液の色で「精進」
白・仏陀の歯の色で「清浄」
橙・仏陀の袈裟の色で「忍辱」
残りの1色は上の五色を用いて「輝き」を表現している。
by Wikipedia


この仏教旗をモチーフにしたロウソク。
そして仏陀そのものを意味するそれぞれの色。
そのロウソクに火を付けるというのは、例えて言えば
菩提樹の下、49日間にも及ぶ瞑想の末悟りを開き、後光をまとったお釈迦様の頭部に芯をぶっさして火をつける行為」


そりゃ、怒られるわ。


でも、この事は考えなかった訳ではない。
作成前に、他所のお寺の門前市で仏具を売るおじさんに提案した時は
「綺麗に作れたら買ってあげるよ」
と言っていたらしいのだ。
なのに・・・何故・・・・・・。






と、ここまではスリランカでは良くある話。
以前、「仏歯寺」をモチーフにした「仏歯寺まんじゅう」のような物を提案した時も
「不謹慎極まりない」
と怒られたことがある。
信仰心の薄い日本人に有りがちな失敗かもしれない。
しかし、今回の失敗はコレとは別物。
簡単に言うと、今回作った美しいロウソク・・・・・燃えません。
燃焼時間を計測するために火をつけた瞬間、ジリジリと音を立てて芯が溶ける。




「化繊かよ!!」




今回、既に用意してあった芯を使用して作成した。
以前に仲間が作成したときにパラフィンを染み込ませた奴だ。
まさか化繊だったとは。


その場に居合わせたデザイン隊員は
「『仏教旗はいくら燃やそうとしても決して燃えることはない』っていうコンセプトで売り込めば良いんじゃない?」
と言っていた。
まだ、諦めていないご様子です。