ソープオペラ第二幕

本当はソープオペラよりスペースオペラ
銀河英雄伝説」が好きなんだけど、まぁ、置いておく。


昨日までとは打って変わって、朝から大げんか。


こちらの我慢も限度を超えて、「お前ら、いい加減にしろよ」
という感じでブチ切れてしまった。
二年ほど前にネパールで受けたファシリテーター養成講座を、
「今こそ活用する機会だ!!」と勘違いした結果、
奥さんとお義母さんを呼びつけて、問題の解決を図った。


俺「で、何が問題なの?」
母「・・・何も」
俺「何も? 今朝も喧嘩してたのに?」


そう、ファシリテーターの俺様は、何もかもお見通しなのです。


俺「とりあえず、すべての問題を今日のうちに解決してもらうから」
母「でも何も問題ないし」


流れをぶった切って、
俺「じゃあ、まずは昨日のわだかまりを解決する?
  昨日のタピオカココナッツの件は何なの?」
母「別に、あんた達がキャンディに行くのに、
  バスが無くなるのが心配だっただけよ。。。」
俺「でも、最初はタピオカが熱の時は良くないって話してなかった?」
母「そうよ、タピオカは・・・」
俺「でも、結局叔父さんに持っていったよね?」
母「・・・それは、あんた達がうるさいから・・・」


こんな感じで幾つかの懸案事項について追い詰めた結果、
お義母さん、泣いちゃいました。






で、話ができなくなってしまったのでいつものごとくワタクシはタバコ。


ペプシを飲みつつ、タバコを吸っていると、奥さん登場。
「お母さんが変なの、早く来て!!」




道すがら、といっても家までは歩いて二分。
その家までの途上で、状況を聞くと、
「椅子に座っていたお母さんが、立ち上がってベットに移動して倒れた」
という。
「声をかけても反応がなくて、気絶してるみたいなの!!」


急いで家に帰ると、お義母さんがベットで大の字で気絶・・・?
手足も冷えていないし、つねってみると眉間にシワが・・・。
これは仮病なのでは・・・?
そんな疑惑が心を支配していたが、それはそれ。
すぐに近所の人を呼びに行かせて、病院に連れて行くことにした。
幸いにも、病院は我が家の目の前。
四人がかりで担いで坂道を登る。
どんだけ呼びかけても反応の無いお義母さんだが、
担ぎ人の一人が足を滑らせてバランスを崩した時、
驚いて目を見開いたのを、俺は見逃さなかったし、
逆にその瞬間、俺が思わず吹き出してしまったのは見逃して欲しい。


そのまま病院に担ぎ込んで点滴をしてもらい、診察をしてもらうが、
原因がわからない。
そりゃ、そうだ。
仮病だもん。
原因がわからないということで、ペラデニヤの総合病院に搬送。


もう、とことんやってもらうことにしました。
緊急車両をこんな事に使うのは心が痛んだが、仕方ない。


救急車で運ばれるお義母さん。
それをスリーウィルで追いかける我々。
地元の病院では全く反応を示さなかったお義母さんですが、
安心してください。
総合病院では椅子に座って大人しく待ってました。


二時間ほどの精密検査を経て、帰宅。


血圧の持病のあるお義母さん。
その薬を飲み忘れたということで、話のオチを付けました。


我々、血の繋がらない家族三人だけの時には、
蚊の鳴くような声で紅茶を要求し、
見舞いの客が訪れると、芝居を忘れて大声で世間話。
客が帰ると、途端に病弱な芝居を再開。


自分自身で、その不自然さに気付かないのがスリランカ品質。


俺の大好きな「銀河英雄伝説」。
スリランカという、この小さな宇宙にもオペラ級の伝説があるのです。


誰か、田中芳樹に謝っといて・・・。