目には目を

今日は、現業務最後の日。
気持ちの良い一日を迎えたかったのですが、
そこはスリランカ
なかなか簡単には行きません。


6時過ぎに家を出て最寄りのバス停に向かう。
バス停に到着した瞬間にバスが来て、
まずは幸先の良いスタート。


で、このバスがまぁ遅い。
トロトロと田舎道を走って行くのは、
まぁ我慢ができるのだけれど、
すれ違うトラックの運転手と、長話。
車体を、お互いの運転手席が横並びになるように止め、
延々と続くおしゃべり。


それぞれの車体後方には車列ができはじめ、
朝早くの田舎町にクラクションが響き渡る。


道を塞いでいることに気づいている事は間違いない。
それでも他人への迷惑を顧みないこの行為。


このあと天誅がくだされる。


おしゃべりを終えた我々のバスが、ノロノロとスタートすると、
後続のバイクやスリーウィーラーが追い抜きに掛かる。
そして次にやってきたのがバス。
追い抜きざまにそのバスが幅寄せしてきた。
嫌がらせのつもりなのだろう。
その瞬間。
パキン、チャリン、パキパキ。


我らのバスの至近距離で奇妙な音がした。
乗客の視線を追うと、右サイドのミラーに違和感。
ご推察の通り、ミラーをぶち壊して、
追い越しバスが走り去っていった。


それに怒ったのか、今までのトロトロ運転を忘れ、
猛烈なスピードで走り出し、件のバスを追いかける。
ピリマタラーワのバスホールで追いついた我らのバス。
若い車掌が飛び出して行き、相手の運転手と口論開始。
その車掌を置いてきぼりにして走りだす追い越しバス。


そしてパキン、チャリン、パキパキ。
またもや甲高い音が響く。
車掌が相手のミラーを叩き壊したようだ。


一瞬止まった相手のバス。


すぐに動き始めたと思ったら、パキン、チャリン、パキパキ。
我々の左サイドミラーがやられました。


目には目を歯には歯を。
ハムラビ法典の精神を感じます。


そこからの乗客の動きは素早かった。
両サイドのミラーが壊されたこのバスは、もう走れない。
だって警察に捕まるから。
そう判断すると、さっさと下車して、
騒動に関係していないもう一台のバスに乗り換え始めた。
車掌も、諦め顔で誘導する。


返金に応じず、「いいから乗れ」の一点張り。


乗り換えバスの車掌は当たり前のように運賃を請求してくる。


そして、もちろん払わない乗客。
「あのバスから受け取るのがスジ」と口をそろえる。


最初のバスはミラーを2つ分損した。
追い越しバスはミラー1つ。
乗り換えバスは正規料金の徴収が出来ない。
乗客は時間を奪われた。
私は、ブログのネタが出来て有難い。


気持ちのいい一日の始まりとは行きませんでしたが、
これはこれで面白かった。