小坊主さんの欲しいもの

明日から新しい仕事が始まるということで、いつもの様にお寺さんでピリッとをしてもらう。


夕方6時。
お寺に行くと丁度お坊さんたちが仏様のいらっしゃる部屋で準備をしていた。
私と奥さんも参加させてもらい、総勢5名の小さなプージャー。


雨が終わって花がそこらじゅうで咲き始めているので、今日はお花が山盛り。
仏様と、シヴァ、ヴィシュヌにお供えしてもまだ余裕。


30分ほどのプージャーを終え、我々二人は菩提樹へのプージャーに向かう。
そこでまたかなりの時間を費やすのですが、私はこの時間が実は好き。
自分の事で奥さんが色々とお祈りをしてくれているという事実が、自分を幸せにしてくれるのです。
彼女が一生懸命に祈っている姿は、自分の妻ながら言わせてもらうと、大変に美しいのです。




たまにはノロケもいいでしょ?




で、手にピリットヌーラ(お守り的な糸)を結んでもらいに、お坊さんを訪ねて行くわけですが、出てきたのはこの前出家した小坊主さん。
この小坊主さんは、地域住民皆で可愛がっている。
厳しくした結果、還俗されてもらっては困るというのも理由ですが、単純に素直で可愛らしいというのが一番の理由。


で、我々も例に漏れず可愛がっているわけですが、この前はお義母さんが懐中電灯をねだられて困ったらしい。
お義母さんの使う懐中電灯が気に入った小坊主さんは、素直に「これ頂戴」と言ってきたらしい。
お義母さんは
「これがないと家に帰れないから、今度別に買って持ってくるから、今日は許して」
と言ったらしい。
すると小坊主さんの目から涙が一粒、二粒。
堪らずお義母さんは懐中電灯を渡したらしい。


それを聞いて、笑い転げていた我々夫婦ですが、今日はこちらから聞いてみた。
「何か欲しいもの有るなら言ってごらん」


なぜか我々には照れくさくて、そういったことを言ってこないので敢えて聞いたのです。


モジモジする小坊主さん。




しばらく考えて照れくさそうに言ったのは、
「ペンシルケースが欲しい」






まだ9歳です。
そういった物に一番興味があるお年ごろ。
「どんな奴か教えてくれたら買ってくるから」
というと、
「前貰った奴があるけど壊れたから、それ見せるね」
と、言って取りに部屋へ行く。


持ってきたのは、いわゆる多機能型ペンケース。
鉛筆削りとか、フタが上下についてたり、消しゴムを入れる部分が別になってるアレ。


「これには付いてなかったけど、ライトが点灯する奴があって、それが欲しい」
とのこと。



ペンケースにライト?
必要ですか?



まぁ、要不要ではないのは分かります。
子供の感覚としては多機能であれば有るほど上等ですからね。


コロンボで買ってきます。