コッタマッリ

今日はポヤデー。


シルという行事のお手伝い。
シル、なんて説明したら良いのか・・・。
意味的には戒律とかそう言った感じ。


実際の内容は、朝からお寺の本堂に集まって、経典を読み上げたりお坊さんのありがたい話を聞いたりして、自身の生き方を省みるという感じでしょうか。
そこに参加する人たちは(表面的には)熱心な信者とみなされる訳ですので、その参加者に食事やお茶を提供するというのは徳を積むことに繋がる。


実際には、彼らへの朝食は他所の家族が担当したのですが、その家族はこういったダーネ(食事等の寄進、旦那の語源)をするのが初めてらしく、我々に「手順とか分からないので、手伝ってもらえませんか」となったわけです。
お義母さんはシルに参加しますし、私は早朝ということもあって丁重に辞退しましたので、妻だけお手伝いに参加。
それは滞り無く終わったのですが、もう一つのダーネを引き受けて帰ってきた。


さらに別家族の昼食が済んだ後の「お茶」。
それを我々がやることになったようなのです。


で、考えた。
シルに参加するのはお年寄りが圧倒的に多数。
彼らは家でお茶ばかり飲んでいるだろうし、体調の優れない人もちらほら。
なので、妻が言った。
「コッタマッリなんかどうかしら?」


コッタマッリというのは、コリアンダーの事。
カレースパイスの重要なベースでもあるコリアンダーシード。
これを軽く炒って、生姜とにんにくを加えて煎じたものを提供しようと言うのだ。
これ、私も大好物でして、健康にも良い。
子供の頃に風邪をひくとお母さんがコッタマッリを作って飲ませてくれるというのは、郷愁を誘う一つの代表的なシーンとして定番になっている。
実際。コリアンダーシードは解毒や消化促進、鎮静さようがあって、生姜やにんにくと相まって体も温めてくれるので効果はあるようだ。


これを30人分。


朝から煮出して、一度冷ます。
それを提供時にもう一度温めて、お寺に持ち込んで注いで回る。
「コッタマッリです」と言って注ぐと、みんな喜んでくれる。
家では多少面倒なので飲む機会は少ない。
一日中、お寺の本堂の床に座っていたのですから、こうした温かい飲み物は嬉しいようだ。


結局、コップに二度三度と注いで廻ることになり、20リットルほどのコッタマッリは全て終了。
参加者30人ですから、一人600mlは飲んだ計算。


喜んでもらえて良かった。