作業員の造反

9人の現地作業員を引き連れて、一つのチームが今までとは別の現場に移動した。


移動した先で「宿舎に満足できない」と言い出す。
別のチームの作業員も同じところに宿泊している訳で、単なる我儘にしか聞こえてこない。


あちらからすれば、我々の譲歩というか、待遇改善を狙っていたのでしょうが、それは無理。
なぜなら他の作業員は文句も言わず生活しているのだから。
私も実際に宿舎を見ましたが、そこまで悪くない。
しかも今回のチームは二週間だけの期間限定。
それを我慢できないとなると、単なる甘え。


待遇が悪いので帰るというのは、まぁ自由ですよ。
ただ、みんなで同調する必要は無い。
なので、「相談して決めないで、一人ひとり考えて決めろよ」と伝えた。


「あの場では自分だけ残るとは言いにくかった」とか、後から言って来るに決まっている。
そこに対しては、あらかじめ釘を刺しておかねばならない。


最終的には声の大きい二人に煽動されて、9人全員が仕事を放棄して帰宅することになった。
一人ダラダラと帰宅準備をしている若者に聞いた。
「みんなが帰るから帰るの?」
  「みんな地元のお兄さん達なんで、自分だけ残るとは言えない」と。
やっぱりなって感じなんですが、一応聞いてみた。
「お前は先週までずっと休んでて、ほかのみんながお前の家まで行ったよね?
 みんなは『はやく仕事に戻って来い』って言ってたのに、来なかったじゃん? 
 仕事しろって言う言葉は聞かないのに、仕事するなっていう話は聞くの?」


返事は無かったですね。


ホントに難しい状況。
可能な限りというか「こちらに出来る事はする」というのが、そのチームの考え方だったのですが、結果それは作業員を増長させることになった。
・他の作業よりも危険度が高いので、割り増し賃金を払っている。
・テロでの休業期間中も、給与の保障をした。
・今回の移動前には、むこうからの要求どおり一日休養日を設けた。


そしてこの状況。


移動日に、作業着で来ない時点でちょっとイラついたけど、仕事を開始する前に「宿舎を見たい」と言い出したときには「お前ら、ここに何しに来たの?」って聞きたくなったよね。


まぁ仕方ないので別の作業員をJV相手にお願い。
昨日の休養日と今日とで既に二日間のロスなので、とりあえずは人数を投入してリカバーしていかなければならない。
そのうち、「仕事に戻りたい」と言ってくるに決まっているのですが、さぁどうするか。