売り込み

以前から作成していた紅茶のパッケージ
その後、二つほどのサンプルをシニアボランティアの方と作成。
それをMlesnAという紅茶会社に売り込みに行った。
ホームページはコチラ→http://www.mlesnateas.com/


JICAスリランカのスタッフがMlesnAの社員と知り合いで、その関係で転がり込んできた話。
コロンボのMlesnA本社へ。


挨拶を交わし、まずはJICAの説明からスタート。
今回のサンプル作品のコンセプトや、製作工程、生産者の経済的状況、作成可能な数量などを説明し、作品を見てもらう。

細かい部分での指摘を受けたが、概ね好評。
量よりも質が大事だとの考えで、生産ロットが少ないことにも理解をしてくれた。
今までのラインナップに無いテトラ型にも、興味を示してくれていた。
そしてキャンディにある直営ショップで、テスト販売的に10個ほど購入しても良いという話に。
それも、売れても売れなくてもMlesnAが購入した時点で、代金の支払もしてくれると言う。
なんてこった!!
こんなに良い話は無い。
コチラとしては店頭に置かせてもらえるだけでも嬉しいのに!!


こうなったら指摘された改善点を修正して、すぐに製作に入ろう。


そんな気分でいたところで、重役の登場。
オーナー一族のお方。


サンプルを見てもらうが、お気に召さないよう・・・。
「我々が欲しいのは、輸出に耐えるクオリティーだ」
「贈答用のギフトボックスに使えるようなものは無いのか」
「テトラ型では、輸送用のコンテナに収まらない」
「革の縫い目が見えるのは好きじゃない」
「ヒッピースタイルのツーリスト向けでは市場が小さい」
・・・などなど。


最終的にはサンプルを手にとり、のり付け部分をビリビリと破りながら
「強度が足りない」
みなさん沈黙。




さすがに経営陣の考えは甘くない。


そして彼とはコンセプト段階でのベクトルが全く違う方向を向いていることがわかった。
我々が抱えている生産者には最高レベルの技術も、道具も、経験も無い。
その状況で手作りの温かさと仕事の丁寧さを売りにして、個人の旅行者をターゲットにしたいと考えていた。
しかし、彼のビジョンからは「金を使わないヒッピースタイルのツーリスト」は除外されていた。
売上の向上にはまったく期待できないからだ。
経営陣としては、そこが大事なのだろう。
もちろん、そうだ。


自分たちの甘さも痛感した。
生産工程を簡略化すると言う考えで、手縫いの作業を減らしてボンドでの貼付け部分を作った。
見た目もすっきりとして、一石二鳥だと思っていた。
しかし、それは生産する側の手抜きに他ならない。
見た目を良くする為に強度を犠牲にしている。
企業側からすれば、そう見えても仕方ない。
見た目を良くするのだったら、強度を損なわない方法を考えるべきだった。


残念なのは、手縫いならではの縫い目の綺麗さや大量生産の規格品には無い素材の温かみのようなものが、彼には全く伝わらなかったことだ。
ターゲットの変更だな。


今後としては紅茶の葉っぱを大きなロットで安く購入して、こちらでビニールパックに小分けし、それを革のパッケージに詰めて、お土産物屋さんに並べてもらうという方向で動くことに。
あと、とにかく売上の実績をつくるということで日本人、特にJICA関係者や日本人会の方々を対象に販売会のようなものを企画するということになった。


販売会が行われる際には、ご協力お願いいたします。