登頂をあきらめ、日の出を登山道の茶屋で拝んだ。
どんな構図で撮影すればいいのか・・・。
朝日に照らされるスリパーダの美しさを写真に収めたいと思い、
いろいろ試して撮影していた。
そこにランカ人登場。
写真を撮っている俺に向かって
『そこで何をしてるんだ!!』
という怒鳴り声をあげてきた。
「え?写真・・・」
と言いかけた俺を制して、おっさんは山と自分自身を交互に指差し、
『My SriPada !!!』
突拍子のない発言と、おっさんの剣幕に吹き出す俺。
周りのランカ人も苦笑い。
宗教的シンボルになっている山なので、熱心な信者さんが居ることは理解できる。
なので俺だって細心の注意をしていたつもり。
写真も普通に撮ってました。
中指立てながらとか、ケツをペロンとだしたりなんてしていない。
自分では気づかないで、Fから始まる四文字を口ずさんでいたのだろうか?
「えっ!! あなたのスリパーダなんですか!?」
と、笑いを堪えながら聞き返す。
『そうだ!!俺のだ!!』
「それは知らなかった。そっか、じゃぁね〜バイバ〜イ」
と、激高するおっさんを残して皆のところに急ぐ。
「ちょっと聞いてよ〜!!今ね〜・・・」
と、その出来事を話しているとき。
実は、ほんのちょっぴり怖かった。
自分の理解出来ない理由で怒られるというのは、精神的にくるものがある。