道を伝える難しさ

スリランカで生活して8年ほど。


なので、言葉は問題ないし、電話だと会話が難しいってことも無い。


ただ、「xxへの行き方を指示して」と言われると、億劫。


というのも、スリランカ人の殆どが方向音痴だと断言できるからだ。
方向音痴というのは「話を聞かない男、地図が読めない女」というベストセラーでも有名ですが、脳の構造とかも関係する。
方向感覚を司ると言われる「嗅内皮質」が上手く機能しないとか。


でもここで言いたいのはそういったことではない。
そもそも方向音痴と言われる人には、脳内構造を別として、共通した特徴がある。
1.観察力がない
2.記憶力がない
3.気分屋


1.は致命的です。
ランドマークとなり得る物を見ていない。
「今、何処に居る?」と聞いて、返ってくる答えが「目の前の店では野菜を売ってる」とかだと、「どこだよw」となる(スリランカには野菜を売っている店が掃いて捨てるほどある)。
観察力有るんだけど方向音痴という人は、時々刻々と変化するものを見ている(人とか売ってるものとか)。
もしくは2.の人。


2.つまり、道の目印を見つけることが出来ても、それを覚えてない人。
「そんなにバカじゃない」と思うかも知れないが、この人は同じような曲がり角や風景を見ていると場所が混乱しやすい。
つまり、目印となるものの選定が間違っているとも言えるかもしれない。
もしくは、一つの目印に頼りすぎて、補助となるべき情報のインプットを怠っている。


そして3.の人。
「帰り道では、来た道と同じ道を通りたくない」とか、「こっちの方が近そうだ」とか。
指示した道を通らないなら、最初から道を聞くなと思う。


実際の例で示していこう。
昨日のこと。
家具を宿舎に配達してもらうことになったのですが、まず最初に言いたいのは「本来は月曜日だったんだよ」ってこと。
まぁ、これは別の話なので割愛。
その時に道順を説明しました。
「○○から△△に向かって行って、xx病院の次の角で左に曲がり、500mほどで□□ホテルが右側に見えるので、それを通り過ぎてすぐ次の交差点で右に曲がると一本道。そこを100mぐらいで着くので、その辺りで電話してね」


そこまで説明して、待てど暮らせど連絡なし。
結局、なんの連絡も無しで配達せず。
昨日になって、電話が来た。
「今から配達するので、道を教えてくれ」


おいおい。
「月曜日に配達するって話は?」
と聞くと、「今日行く」と元気な返事。


あ、方向音痴の特徴がもう一個あったわ。
4.人の話を聞かない。
もしくは質問と違う答えを返す。


続けよう。
面倒ですが、もう一度説明した。
それから一時間後に再度電話が来た。
「時計塔の近くに居るのだが、道が分からない」


時計塔って、あなた。
もう「xx病院」過ぎちゃってるじゃん。


まぁ、良い。
「そこから○○方面に戻って最初の十字路で右に曲がって」
   「ってことは、Uターンするのか?」


いやいや。
こっちは、アンタがどっち向いてるか知らないし。
相対的な座標ではなくて、絶対的な座標で話してくれ。


「曲がったら、500mぐらいでホテルが右側に見えるから」
   「Ok」
「見えた?そしたら、次で右ね」
   「ホテル過ぎたけど、右っていうのは斜め右に行く道のことか?」
「斜め右?ちょっと待って。その角に銀行有る?」
   「無い」
「・・・。曲がるとこ過ぎてるわ」
   「ちゃんと指示してくれ!!」
「おいおい、ホテル過ぎてすぐの道があったろ?なんで曲がんないんだよ?」
   「あの細い道?」
「細いと思うかどうかは、お前次第だから・・・」


で、この後、道を把握したと言って電話は切られ、また迷うこと30分。
やっと到着。
一歩通行に嵌って、指示した道とは違う道を進んだことが理由でした。


まぁ、難しいわ。
あと、スリランカ人は細い道でも凄いスピードでぶっ飛ばすから、助手席の人に電話で支持すると運転手との間で時間差が生じるのも原因かもしれない。
「あ、今のところ右だった・・・」とかね。



というわけで、こう云うことが良く起きるので、電話で道を聞かれるとスリランカ人同士で話してくれって思うのです。