難民申請の状況

昨日の文章で難民申請について書きましたが、細かい状況は法務省のホームページで確認できます。


10年ほど前から増加の一途。
2011年は2000人に満たないレベルでしたが、2017年には10倍の20000人レベルに。
2018年には半減し、2019年もほぼ同じ。
2020年には4000人にまで減っている。


2011年からの上昇カーブの理由は、法改正があったから。
難民申請してから六ヶ月が経過した場合、就労を認めるという緩和措置の効果です。
2018年の半減は「申請中なら働けるという(間違った)認識を是正するため」に書類審査を申請から2ヶ月以内に終わらせ、明らかに難民に相当しないと判断された場合は就労を許可しないと運用方針を変更したことによるもの。


その激減時期にあたる2018~2020までの状況はどんな感じかと言うと、
2018年
ネパール  16%
スリランカ 15%
カンボジア  9%
フィリピン  8%
パキスタン  7%
2019年
スリランカ 15%
トルコ   13%
カンボジア 13%
ネパール  12%
パキスタン  9%
2020年
トルコ   21%
ミャンマー 15%
ネパール  12%
カンボジア 11%
スリランカ  9%
それぞれの年の上位5カ国と、その国が申請者全体の何%を占めるかを示してます。
一目見て明らかなように、特定の国の人に偏っています。
ネパール、カンボジアスリランカの3カ国は毎年上位に顔を出す常連。


複数回に渡って申請を繰り返す人の出身地ランキングもありまして、これはほぼ申請数ランキングに準じる事になります。
2020年の申請者の中では、最多で7回目という人も居まして、これは制度に問題があるのは明らか。


審査の結果、認定されなかった場合には異議申し立てが出来るのですが、だいたい50%の人が申し立てします。
スリランカ、トルコ、ネパール、カンボジアパキスタンミャンマーの六カ国で申し立て全体の74%。
スリランカとネパールは直近3年は上位5カ国の常連。


難民申請の一次審査を2ヶ月以内に、と上で書いてますが、実際には平均で25ヶ月。
異議申し立ての審査に27ヶ月掛かってます。
つまり明らかな書類不備などで弾かれなければ、つまり2ヶ月の書類審査をパスすれば、4年ぐらいの滞在許可が望めるのです。
そして、異議申し立てで口頭陳述の権利を実際に行使したのは1割ほど。
つまり異議申し立てをした人の9割は、それ以上の滞在は望めない(審査は通らない)ことを知った上で満期の滞在を存分に使って稼いだ後、権利を行使せずに帰国するのです。
まぁ帰国しないで不法滞在になる人も居ますけどね。


ちなみに難民というのは「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れた」人たちのこと。
ですが、実際に難民申請した人の理由には知人との借金問題やマフィアとのトラブル、生活困窮などもあり、もはや単なる隣人トラブルの相談所。
これらを理由とした申請は2ヶ月以内に棄却されるのでしょうね。
逆に言うと、ある程度の申請理由が書ければ、4年以上の滞在チャンス。


これを知れば、特定の国が日本の行政運営に深刻な損害を与えている事は理解できますでしょうか?
そして、スリランカ人が日本に行くための保証人にワタシが絶対に成らない理由も理解出来たと思います。


一応、PDFのアドレスを貼っておきます。
https://www.moj.go.jp/isa/content/001345018.pdf