キャンディと言えば

なにを置いても世界遺産の「仏歯寺(ぶっしじ)」な訳です。
四世紀ごろインドのカリンガ国の王子が、頭髪の中に隠して持ち込んだとされている仏陀の犬歯を祀ったお寺。
何故、歯なのか?
仏陀がありがたいお経を唱え教えを説いた時、言葉はもちろん口から発せられているわけで、歯はその全ての言葉に触れている。
だからこそ、歯に対する仏教徒の想いは強かったという事らしい。


スリランカでは王朝が倒れ、遷都が繰り返されるたびに仏歯も安置される場所を移された。つまり仏歯のある場所が王都とされていた訳だ。
そして1590年にキャンディ王朝が樹立されると仏歯もキャンディへ。
その後も何度か移動を繰り返したようだが、今現在はキャンディに落ち着いている。
スリランカ仏教徒にとって、仏歯寺は聖地中の聖地。
その為、1998年にはLTTEによる自爆テロの標的にされた。


写真の左端に入り口があり、ちょうどその辺りで爆弾を載せたトラックが爆破された。
今では厳重なセキュリティチェックがあり、そんな心配は無いけれど、なんだか聖地に似つかわしくない兵士を見ると、ちょっと心が重くなる。


そんな俺も、セキュリティチェックに引っかかった。
料理を作るために包丁を携帯していたのだ。
ランカ人兵士にしてみれば見慣れない日本の包丁。
さぞびっくりしたことだろう。
俺も完全に包丁を持っていることを忘れていたので、正直焦った。