叔父の仕事

ここの所、お世話になっている叔父さん。
彼のことも少し紹介したい。


45歳の独身。
最近になって水疱瘡を患ったのは書いたかな。
その時に、一緒に住む姉(独身)、妹(既婚)、その妹の娘二人に、
随分と酷い扱いを受けたらしく、怒り心頭。


彼女たちは叔父さんの稼ぎと父親の年金で生活しているのだが、
その稼ぎ頭が病気の時に、なんの看病もしなかったと怒っているのです。


そして叔父さんが一大決心。
「俺、結婚する!!」




しかし、これは家族には内緒。
俺だけに打ち明けてくれた決意。
というのも、一緒に暮らす彼女たちにしてみれば、
叔父さんが結婚してしまえば、収入はその嫁さんに渡ってしまうわけで、
自分たちの取り分が減る。
それだけは避けたい女性陣は、
叔父さんに結婚の話が浮上するたびにぶち壊しの裏工作を行う。


なので今回は秘密。


で、今日。
密かに意中の彼女を紹介してくれるというので叔父さんの職場へ。
13時から職場でパーティーがあるので、それに来いという。
そのつもりでゆっくりと朝飯を食っていると、電話。
「今から職場に行くぞ」
話が違うが、仕方ない。


職場につくと、件の彼女。
メガネをかけた知的美人だ。
遠目で確認したが、すぐに会議が始まってしまって話す機会もない。
そして、そのまま俺は放置されたまま。
9時から13時まで完全に放置され、
パーティー会場に移動したのち15時まで放置。
15時にアラック登場。
昼飯もなしでアラック。
16時にやっと昼ごはん。


例の彼女はパーティーには来ていないし、予定はぐちゃぐちゃだし、
一日ぼーっとしてただけ。


その帰り道。
「どうだ、楽しかったか?」
彼女の事を紹介すると言っていたことも忘れ、
俺を放置していたことも忘れ、「楽しかったか?」。


こんないい加減な叔父さんですが、悪い人ではないんです。
幸せになってほしいものだ。