キンコンバ

バドゥッラからの帰り道。
ヌワラエリヤで野菜を買って帰るのが、
良い旦那の勤め。


地元の大根は、しなびた物ばかりなので、
ヌワラエリヤの、葉っぱまでシャキッとした大根は、
買って帰ると喜ばれる。


立ち寄った露店の八百屋さん。


大根を二本手に取り、他にも物色していると、
「キンコンバは買わんのかね?」
と言われた。


見ると、そろそろお迎えが来てもおかしくないような
お爺さん。


「キンコンバ?」
なんだ、その聞いたこともない名前の野菜は?
元々食品関係の仕事をしていたことも有り、
興味がわいた。
キンコンバ。
響き的に中国の野菜か?
バは葉っぱのことかな?
ってことは、キンコン葉。
キンコンってなんだろ?
金根?それとも近根?
均紺かなぁ?


分からない。


「え?キンコンバってどんな野菜なの?」と
答えが想像できないまま聞いてみた。


お迎え五秒前のお爺さんは、ゆっくりと腕を持ち上げ、
私の目の前に置いてある野菜を指さした。


「これじゃよ、買わんのかね?」


その野菜は、緑色で細長く、少しカーブしている。
そう、ちょうど胡瓜のような感じ、というか胡瓜。
うん、胡瓜。


・・・キンコンバ?
・・・・・・・キンコンバー?
・・・キューコンバー??
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!??


キューカンバーーーーーーーーーー!!!!
YES!! It' a cucumber!!
Yeeeehaaaaw!
YES! YES! YES! CUCUMBERRRRRRRRRRRRRRR!!
Not a Kinkonba!!
キンコンバはキューカンバーでした。


ちなみにどう見てもクレソンで、食べてもクレソンな
野菜も発見。
名前を聞くと、Water Grass だという。
家に帰って調べると、クレソンは英語でWatercressというらしい。
クレソンってフランス語なんだね。


お爺さんのお陰で、退屈な道中が楽しくなった。
ありがとう。


大根とクレソンを買って帰って、美味しくいただきました。
ちなみにクレソンはほっといても育つし、繁殖力旺盛だからなのか、
太ももぐらいの束で、40ルピーという安値でした。