75年

広島への原爆投下から75年。


アメリカでは原爆投下については「戦争を早期に終結させるためには必要だった」とか「不幸だが必要だった」という主張が支配的ですが、戦争を知らない世代が過半を占めるようになり、少しずつ変わってきているとか。


ロサンゼルスタイムズは「米国は核時代の幕を開ける必要はなかった」という論説を5日に掲載した。


時代は移り変わっていくのですね。


尖閣諸島への中国の侵略行為に対しても、日米で協働して対応するなんて話も出ているし、日本とアメリカが対立していた事を事実として知らない世代も増えているのかも。


尖閣諸島に関しては、本当にアメリカの協力はありがたい。
国連には敵国条項というものが存在し、日本、ドイツ、イタリアなどの敗戦国がそれに含まれる。
ドイツ、イタリアは条項が作成された時点では敗戦しているので、厳密には日本だけを対象とするという見方もある。
で、何が問題かと言うと、第53条。


原文はそれぞれで見てもらうとして、簡単に言うと「敗戦国が敗戦によって確定した条約や事項を破棄したり無効にした場合、安保理の許可なく制裁を課すことが可能」としているのです。


凄くない?


敗戦国=連合国の敵国だった国。
国連(United Nations)=連合国です。


1. 尖閣を固有の領土として主張している中国からすれば、日本は戦後の混乱に乗じて尖閣を不法に占拠した国。
2. これは侵略行為であり戦後の国際秩序を混乱させる許されざる行為。
3. 敗戦国である日本が、このような侵略行為を行なうのであれば、中国としては敵国条項が認める通りに独自の制裁を加え得る。


きれいな三段論法。


なので戦勝国であり常任理事国でもあるアメリカが、中国の主張を否定してくれるのは大事なのです。




「もはや『戦後』ではない」という言葉は1956年の経済白書で使われた言葉。
給与所得も工業生産も戦前のレベルを超え、高度成長を迎える希望に溢れた言葉のように聞こえるが、実際のニュアンスは少し異なる。


経済成長が著しかったのは事実だが、大戦でひどく落ち込み、復興時に朝鮮戦争などの特需があったおかげで大きな成長を迎えただけ。


そう言った意味での経済成長著しい「戦後」はもうオシマイですよ、という事なのです。
つまりは、数字上のボーナスステージは終わって、通常運転に戻ると。
大戦をやってなければ、もっと成長してたでしょうから。


ボーナスステージの「戦後」は終戦後11年で終了。
しかし連合国にしてみれば、まだ日本は「敗戦国」であり「敵国」なんです。


終戦から75年。
日本はまだ戦後。