LRT終了

スリランカのゴタバヤ・ラージャパクサ大統領はJICAの実施していたコロンボLRT(Light Rail Transit)の実施計画を即時中止し、プロジェクト事務所も閉鎖するように指示を出した。
その時、担当の大臣は事業を中国に引き渡す事になるだろうと発言している。


レターの日付は9月21日の月曜日。


理由は「非常に高コストで費用対効果が望めない」という事。


2013年頃から都市交通のマスタープラン作成が為され2014年に策定された。
その中で、公共交通機関の利用増加、都市中心部の交通需要の分散化、道路ネットワークの整備(道路容量の増大)、信号などの制御システムの整備(オペレーション整備)、将来的な交通インフラ整備のための土地利用に関する法整備などが提言された。


これを元に2019年3月、LRT整備事業のフェーズ1契約(総事業費1600億円のうち300億円)が締結され、詳細設計と入札業務のサポート業務が開始された。


2020年7月の大統領選挙の時期に、この整備事業を中断、見直しするという話が出た。
この時から噂では中国に引き渡すとかなんとか。
インドネシアの地下鉄と同じような匂いがすると話題になった。


スリランカ国内でも議論が沸き起こった。


中国を事業者にした場合のメリットは、
・事業予算規模が小さい
・工事期間短縮(計画段階での話)


日本の場合は、
・低金利
・高品質
・施工などで現地にお金が落ちる
・袖の下などの不正が(比較的に)少ない


こんな感じ。
最後のは、お偉いさんにはデメリット。


中国のインフラ整備は各国で問題が噴出。
度重なる施工期間の延長、遅延、中止。
中国人労働者を連れての施工で、現地にお金が落ちない。
プレハブに住むため家賃も発生しない。
メイドや調理人も本国から。
ワーカーも。
施工後の管理も中国人。
そして平均金利6%という金利
翻って日本は、事業金利0.1%、コンサルタント業務金利0.01%とか。
返済猶予期間も設定され、12年とか。
これで計算すると、1600億のローンを完済した時に支払う金利の総額は32億円ちょい。
年間の返済額は40億円ほどで、完済するのは2072年頃?
インフレ率を考慮すれば、むしろマイナス金利
中国の場合は?
事業費が半分だとしても800億円借りて利息の総額は1300億円(40年固定)。
年間の返済額は53億円。
それも工事終了直後、まだ収益が発生する前から支払いが発生する。


支払い総額は日本なら1632億円で済むところ、中国では2112億円。
仮に、中国の予算規模が620億円規模(日本の40%弱に相当)ならほぼ同額の返済額になる。


費用対効果が望めない?


(選挙で)頑張った割に、ポッケナイナイできないので『費用対効果が望めない』っていう理解で良かった?


なんにせよ公共投資を国内でやるより、海外に輸出したほうがメリットが大きいという考えの元でやっている中国なので、それを受け入れる側は食い潰される事になると理解しておく必要がある。
ね、大統領閣下?


ワタシ、ここのプロジェクトでお世話になる予定で、採用直前の7月から保留されていました。
御破算ですね。
また就職活動です。