昨日の文章を書いていて気になったので、一応見てみました。
2020年の財務報告書です。
発行元はCentral Bank of Sri Lanka。
2021年4月21日に発行されています。
まずはざっくりと歳入と歳出。
歳出/歳入バランスがおおよそ2.2倍。
不足分の1兆6677億ルピーを借り入れた状態ですね。
歳入を費目別にみてみると、こんな感じ。
一番多いのは物品税で、26%ほどを占める3219億ルピー。
その他が二番目で、その次が個人所得税。
22%ほどに当たる2683億ルピー。
なるほどね。
過去にジャフナ大学の教授が調べたレポートを見ましたが、スリランカではおおよそ70万人が個人所得税を支払っており(2016年)、そのうち上位11%で全体の88%を支払っているとのこと。
それを上位33%まで広げると、全体額の98.5%に到達する。
調査年度がバラバラなので、おおざっぱな事しか言えませんが、人口2200万人のうち70万人の11%、つまり7万7000人(人口の所得上位0.35%)が個人所得税の88%を支払っている訳です。
法人税においては全体の67%の企業は赤字決算であり、税負担はゼロ。
上位13%の大企業が法人税の99%を支払っているとのこと。
そして、やはり酒たばこなどの物品税は安定財源なんですね。
2019から2020の比較で、個人所得税やVATが6割以下水準まで落ちているのに対して、物品税は8割キープ。
これもロックダウンが無ければほぼ100%水準だったのでしょう。
酒たばこ税が高くなるのも、逆に納得です。
歳出を見てみましょう。
一番大きいのは利払いで全体の38%。
次が公務員への給与支払いで31%。
これで、7割です。
面白いのは利払いの項目。
海外への支払いが2666億ルピーに対して、国内への利払いが7136億ルピー。
意外でした。
国内への利払いのが多いとは、それも三倍近くも。
ですが、これを見てください。
海外債務と国内債務の残高ですが、それぞれ6兆ルピーと9兆ルピー。
規模の比率は1.5倍です。
なのに利払いは3倍。
そうです、スリランカは海外から借りるほうが金利が安く済むという国なんですね。
えーっと、まとめるとですね、スリランカで投資するなら銀行セクターが堅いってことでしょうか?