フィッチ格下げ

10月の末にムーディーズがCaa2という下から4番目のランクにスリランカを格下げしたのも記憶に新しいですが、今回は別の格付け会社であるフィッチがCCというランクに一つ下げた。


表記が2つの会社で異なっているのですが、両者を比較して並べるとフィッチのCCはムーディーズのCaa2の2個下。
デフォルトレベルは両者ともに上からの並びでは同じ位置にあるので、今回のフィッチは前回のムーディーズから2個下で、つまりデフォルトまで残り2段階。


現状、スリランカの外貨準備高が15億ドルほど。
年明け1月には5億、そして7月には10億ドル規模の債権償還期限が来る。


2022年全体では70億ドル規模と言われているし、今後5年間で見ると260億ドル規模。


ここ最近、政府は公定レートよりも高く両替をしていた業者の免許を停止したり口座を凍結したりしている。
ある意味でヤミ両替な訳ですが、そこでのレートは正規な場合よりも20%以上良いとか。
その値段でドルを買ってると言うことは、それ以上の値段でドルが売れるってこと。
個人でのドル両替が難しい状況下でも、例えば子供が留学してて仕送りにドルが必要って事があったりして需要量が急に落ちることは無い。


「外国に頼らずとも償還を遂行できる」と財務大臣がコメントを出したのは先週のこと。
その当人はコメントの数日前にインドに出向き援助のリクエストをして断られたはず。
その後、頼らないと言いつつIMFからのサポートを受けるかどうか決める会議を開き(なぜ?)、当然ながら拒否した。
頼らないと言ってますからねぇ、そりゃそうでしょ。
ですが、どうやって償還していくのかというロードマップは示されて無い。
企業や個人が受け取る外貨での利益や送金を、一部強制的にルピーに両替させて準備高を維持するというジャイアン的な強権発動しか無いのですが、個人は送金を抑制し始め、企業はスリランカ売上を還流させない手段を構築し始めている。
現地に子会社を作ってそこから調達をしたり、ね。
これって本社の売上げが減るし、法人税の目減りや租税回避につながるのでは?


やはりジリ貧。