ロケットストーブ2

昨日書いたロケットストーブの特徴をもう一度。


1 強力に煙を吸い上げる煙突。
2 長い薪が利用可能。
3 焚き口から煙が逆流しない。
4 煙突を横引きすることが可能。


まずは基本的なロケットストーブの形状から。

下手な絵ですが勘弁して下さい。


真ん中の炎が吹き上がっている筒。
これが根幹をなすヒートライザーと呼ばれる部分。
その周囲を土とか砂で断熱してある。




最初に質問。
なんで工場の煙突が、あんなに高いのか?


理由は幾つかある。
排出された煙を広く拡散させるため。
ランドマーク的な位置づけ。
そして、煙の吸引力を高めるため。


三つ目が重要。
煙突内の煙は、外部(煙突の壁を隔てた外部)と温度差があり、浮力が生まれる。
それが上昇気流となる。
さらに煙突内の中心部の煙は、壁による抵抗が少ないため、
上昇スピードに差が出る。
結果、渦を巻くように上昇して行くことで吸引力(ドラフト効果)が発生する。
煙突が長ければドラフト効果も強くなる。


つまり、煙突は長いほうが良い。


では、ロケットストーブの煙突も長くする必要があるのか?


答えは、NO。


ロケットストーブでは、煙突を長くする代わりに温度を高くした。
煙突を断熱することで保温し、強いドラフト効果を発生させる。
上昇気流を使わずに、強制的に燃焼を連続させて煙を押し出すという感覚。
コレが特徴の一つ目。


強いドラフト効果によって、風を常に送り込んでいるような状態を作る。
一次燃焼部と二次燃焼部を並列に並べても、吸引力は変わらない。
一次燃焼した炎は横に引っ張られる。
薪を盾に投入すると下部が燃えて自然に落下していき、長い薪を使用しても、
差し込みの手間が無い。
コレが二つ目の特徴。


ドラフト効果が強いので、煙が逆流することもなく、
上昇気流を利用しないので、煙突の横引きも可能。
これで、説明終了。




ざっくりな説明だけど、なんとなく解った?
説明して、自分の理解は深まったけど、皆さんどうでしょう?


このシステムは最近発見された新しい考え方。
サンタクロースが不法侵入するような大きな暖炉は、実は燃焼効率が悪く、
良くても50%。
ヨーロッパ製のウン十万円もする高価なストーブでも75%。
でも、このストーブはそれを凌駕する。
しかも、煙の温度を高い状態で維持する必要がないので、
熱交換で排熱を有効利用できる。
普通のストーブはエネルギーの多くを煙の熱として捨ててしまっているのです。
勿体無い。


いやはや、マニアックな話で申し訳無い。


でも、まだ明日も続きます。