糸通し

うちのお袋さんも還暦を過ぎまして。


もともと洋裁は好きだったようだけれど、
この歳になってインストラクターの資格を取るために教室に通っている。
まさに「六十の手習い」だ。
どうせお遊び程度の事だと思っていたら、これがかなり厳しい内容。
9ヶ月で72個の課題を提出しなければならないのだ。
つまり週に二つ。
スカートだったりワンピースだったり刺繍の作品だったり。
頭が下がります。


しかし60も過ぎて洋裁となると、問題になるのが針への糸通し
今まではメガネを掛けて、ちまちまと糸を通していた。

使っていたのは専らコレ。


しかし知らないうちに糸通しにも革命は起きていた。
登場したのはコレだ(前から有ったのだろうけれど)。

その名も「エスコート2(実物はローマ数字)」。
針穴を下に向けて両サイドの竪穴に針を差し込む。
太い針と細い針に対応している。
糸はその竪穴に引っ掛けるようにする。

あとはボタンを押すだけ。

すると、内蔵されたガイド用の糸通しが針穴を貫通する。
右にちょいと糸の頭が飛び出しているのが見えるだろうか。
最後に、その糸を針に通してやって、針自体を引っこ抜けば完了。

いやぁ素晴らしい。


従来の糸通しでは老眼の進んだお袋さんでは難しいらしく、
よく手伝わされたものだが、
これを使えばメガネすら要らないようだ。
さらに竪穴にはガイド用のミゾが切ってあり、
奥まで挿し込めば自然と針穴が正しい方向に向くようにできている。
革命だ。


これは世の洋裁好きな奥様方には、またとない福音となるだろう。
ただ、刺繍糸などの複数の糸が撚り合わさってできている糸の場合、
失敗することもあるようなので、そこはまだ改良の余地がありそうだ。
あと、従来品に比べて多少お値段も張ります。
といっても小遣い程度の値段。
買う価値アリです。