今日、スリランカに居る奥さんから連絡があった。
先に言っておきますが、いい話では無い。
気持ちが暗くなる話なので、そういった気分で無い方はご注意を。
連絡の内容というのは、自分の知り合いが亡くなったという話し。
職場の隣にある裁縫教室というか花嫁教室というか、
まぁ、そこで仲良くなった女の子。
二十歳そこそこの、明るく可愛らしい女の子。
その子が、農薬を飲んで亡くなった。
農薬で自殺と聞くと、スリランカの事情を知っている人ならばピンと来る。
男女関係のもつれ。
スリランカでは、言い方は悪いが最もポピュラーな自殺理由と自殺方法。
俺自身、彼氏が居るという話を聞いたことがあるし、
仲間同士での話を聞いたこともあるので、恐らく居たのだろう。
そして、うちの奥さんが耳にした話によると、
どうやら妊娠していたようだと。
口さがない田舎の人達というのは、こういう時本当に嫌になる。
この事で、彼女は亡くなったあとも下衆な噂話のタネにされるわけだ。
なぜ、こんな事になったのか。
ものすごく悲しく、どこに向けていいのか分からない怒りを感じる。
婚前交渉を良しとしないスリランカの文化。
良い面もあれば、そうでない事もある。
日本や都会のように自由に恋愛できない状況では、
性行為への潜在的な欲求も根深い。
それがバス内での痴漢行為や、レイプ、
同性愛(スリランカでは非合法だったか?)、性教育の不足、
無責任な彼氏なんて言うことにつながっているのか?
スリランカでは母体に命の危険がない限り中絶手術は認められない。
もちろん、非合法な手術は存在しているが、
この仏教国でその選択をするのは、なかなか難しいことだろう。
田舎で簡単に手に入る農薬というのも問題をはらんでいる。
毒性の強い農薬を輸入禁止にしたところ自殺数が減少したスリランカ。
一般的なというと変だが、自殺の方法として浸透している現状では、
毒性を弱めることで発見後の蘇生率が上がったということなのだろう。
今回の場合、近所の店で購入し自宅の自室で服毒したとのこと。
田舎のどこでも手に入り、一番安い毒ということで、
農薬はスリランカでは自殺方法の王道。
ある年では、すべての自殺の中で三分の二を占めていたという。
近所で手に入れば農家さんには便利かもしれない。
でも、これだけ一般に浸透しているならば、
若い女の子が農薬を買うことに違和感というか不信感を抱かなかったのかと、
無茶な文句を店主に言いたくなってしまう。
手近にあった農薬を突発的に飲んだのではなく、
自分で買って、持ち帰り飲んだ。
あの強烈な刺激臭を嗅げば、普通は怯み、自殺衝動も弱まるだろう。
服毒後の苦しみだって想像できるだろうし。
でも、そういった要因をすり抜けて彼女は自殺してしまった。
それほどの悩みを一人で抱え、苦しんでいたと思うと、
実に辛い。
なんだか、取り留めもなく書いてしまった。
文章にするというのは自分にとっては冷静になるための手段の一つ。
お陰で、とりあえず落ち着いた。
奥さんには香典を包むようにお願いした。
早速、明日にでも行ってくれるという。
スリランカに来たら一緒にお参りに行こうとも言ってくれた。
安らかな眠りを祈りたい。
それはそうと、世の男性諸氏。
俺が言うのもあれですが、もう少し自重というか冷静にしませんか?
責任を取る気がないなら避妊してください。
それが男にできる一番簡単で確実な方法です。
傷つくのは女性ですから。
「おいおい、妊娠だけが女性のリスクじゃねーぞ。
精神的に傷つけることだって多々あるじゃねーか!!」
はい、ごもっともです。
なので、俺が言うのもあれですが、と。