絶歌

読了。


気分の重たくなる内容。
著者本人が書いていることですが、この本は自己救済が目的だと。
まさにその通りで、自身の文章に酔いしれている感じが伝わってくる。
無駄に多い、比喩表現。
それがまた読み手の気分を害すような美しい言葉で飾られている。
読み始めた当初は、被害者への懺悔や哀悼を記してあるとばかり思っていたのですが、
そんな事は全くなく、自身の人間性が欠落した原因を震災やサリン事件に求め、
最愛の祖母が他界したことで壊れてしまったと記す。
そんなことは100人中100人が経験していることであり、
その上でなぜ著者だけが反社会的行為に走ったのかの記述は無い。
ただ事件の表面をなぞった本。
そこに社会復帰の様子を付け加えたことが、新鮮味を感じるというだけ。
新しい発見はほとんど無く、事件を風化させないということだけが
この本の存在意義。


この本を分析した精神科医の本とかが、また売れるんでしょうね。