スリランカ的気遣い

オフィスで働くスリランカ人の同僚が結婚するということで、結婚式に参列。


スリランカでは木曜日とか水曜日に結婚式をするカップルが多いように思う。
なんか理由があるんでしょうけど、聞いたこと無かったので今度調べます。


で、式はスリランカ南部のエンビリピティヤというところで執り行われた。


式自体はとてもアットホームな感じで、新郎の人柄が出ているようでとても良かった。


一つだけ気になったのは、参列者の気遣いというか心労というか。




我々のオフィスで働く男性職員。
彼の名はイスラム系に出自があることを示す名前。
彼自身がムスリムだという事ではなく、あくまでも出自の話。
私も彼をムスリムだと認識した事は無い。


そしてエンビリピティヤという町は、住民の大多数がシンハラ人の町。


会場で私が彼に呼びかけたところ、まわりが口に人差し指を押し当てて「し~」とやる。
意味がわからず首を傾げると、本人が隣まで来て説明してくれた。
「今日は『ニマール』と呼んでくれ」


彼の本名に似たシンハラ名で呼ぶように頼まれたのだ。


結婚式という場、今の不安定な国情、そしてシンハラ人の多い町。
そこでムスリム系の名前を口に出すのは憚られるという、廻りそして本人の気遣いなのです。


酒を飲んでいる場でしたが、周りの同僚たちは(面白い)と(気まずい)が3:1ぐらいの印象。
本人は至って元気。
笑ってました。


こういった事を考えなければならないのは、本当に悲しい事ではあるけれど、結婚式という場を出来るだけ気まずくしないようにと考える彼らの気遣いには、心が温かくなった。