宿舎の片付け、最終日。
最近は雨が降るので、朝早くに移動した。
午後に荷物移動とか厳しいので。
なのに、19時過ぎですが、まだ仕事中。
というのも、宿舎に着いて片付けを始めるとベッドが足りない事に気づく。
確認すると、セミダブルベッド4台とシングルベッドが1台ない。
オーナーに聞くと「知らない」との返事。
鍵はうちで働いていたシェフとオーナーが持っている。
さて、どうするか。
シェフは、信用できる。
それにシェフが持っていったとして、それをオーナーが気づかないとも思えない。
ベッド五台ですからね。
あと、オーナー夫人が欲しがっていたプラスチックのケースも一緒に無くなっていたのが気になる。
他にもっと価値のある物が無くなっていないのに、プラケースをわざわざ持っていくシェフだとは思えない。
状況整理していると、オーナーが来て言う。
「お宅の社員がコロンボから来ていた」と。
ジョイントベンチャーを組んでいる現地法人の事。
すぐに電話して確認するが、誰も行っていないと。
そりゃあ、そうだ。
外出禁止令と土日ですから。
しかも、コロンボから来たとかあり得ない。
いよいよオーナーの盗難の線が濃くなったので
「警察に行く」と宣言して、様子を伺う。
それでもオーナーは普通にしているので、まぁ仕方ない。
言った以上はワタシも警察に行くしかない。
警察に行き、事情を説明して宿舎まで来てもらう。
もう、その時点で警察はオーナーを疑っているのは明らか。
建物の構造上、オーナーに知られずに大荷物を運び出すのは不可能だからだ。
監視カメラもある。
それを見せて貰うことになったのですが、オーナーは
「ゲートには付いてるけれど、家の中にはセットして無い」と。
「自由に見てくれ」と。
これを聞いて、もしかしたら家から持ち出してないか、持ち出していてもカバーをかけてるかどちらかだと、個人的に確信した。
だって、聞いてもいないのにわざわざ「家の中にはセットして無い」って言う理由って、後ろめたさから来るものでしょ?
そして、カメラを見られても問題ないって思ってるからでしょ?
で、細かい話は置いておいて、20分ほどの後、呼ばれたワタシに警察が言う。
「結果から言えば、オーナーが盗んだと認めた。
訴える事もできるしお金で解決も可能」と言われる。
ワタシとしても大きな問題にするより、物が返ってくるかお金で補償してくれるなら、そのほうが楽なので
「物が戻るならそれで、不可能ならお金で」と答える。
ここからが、さらに頭に来るのですが
「五台のうち二台はすでに売っている」と。
ならばと、新品で購入できる金額を請求すると
「以前、売ってくれると言ったときには、もっと安かったはず。今更値段を高くしないでくれ」だと。
ちょっと頭に来たので、警察の前で
「誰に売るかはこちらで決めるし、貴方には売らない。人の物を盗んでおいて『買い取るから値段を安くしろ』とか、罪の意識は無いのでしょうか?」と聞く。
結局、販売先から回収することで決着。
それでも新たに部屋を増築しベッドがどうしても欲しいオーナーは、ワタシが売った個人から購入することを画策する。
まぁ、そこはこちらには関係ないし好きにしてくれれば良い。
結果として、ワタシが売った値段の倍以上の価格で購入してました。
しかも、ダメージのある品。
盗品をしまってあった部屋に行き、ベッドを回収。
回収したのちに部屋を見ると椅子が置いてある。
裏を返すとワタシの所属する会社名が書いてある。
なんだよ。
こちらが盗まれた物をすべて言わないなら、あえて返す必要は無いって考え?
で、もう一度洗い直して「あれも無い、これも無い」と警察に報告。
ついには面倒になって「盗んだもの全部もってこい!!」と声を荒げてしまった。
修行が足りない。
この段になってもまだ「ソーリー」とか、もちろん無いです。
まぁ期待してませんが。
最終的に、盗まれたものの全てを回収できたのかどうかは解らない。
でもまぁ、警察が一日中家に居て、近所にも「何かをやらかした」と思われただろうし、それなりの罰は受けたことでしょう。
ちなみに荷物の搬出前に、近所には丁寧に状況を説明するように人を派遣しました。
「警察とか呼んでしまってご迷惑おかけしました。実は、、、」と話すようにね。
ありがちな事ですが、いつのまにか我々が悪さをしたと話が真逆になっていたりするのでね。
盗まれたのに盗んだ事になっていたりしたら、ここに居た我々の同僚にも申し訳ないですから。
ということで、今(20時過ぎてます)も移動中。
疲れました。
来週か再来週にも余分に払ってある電気代を回収しに行かなくてはならないのですが、どんな顔で会えばいいのか、、、。
こっちが気を使うわ。