「ta」と「tha」

先日のドラマ撮影。
実はもう一日残っている。


7月の28日。


今回はスクリプトを事前に貰ったのでじっくりと練習が出来る。


そして、やっぱりワタシは「ta」「tha」の違いを上手く発音出来ていないという事が判った。


日本語には両者の違いが無い。
いや、あるんでしょうけど意識していないって事かな。
で、日本のいわゆるヘボン式ローマ字では「tha」は表記しないので、違いを表現するのが難しい。


例えば「トヨタ」。
外国語っぽくしないで日本語で普通に発音すると、シンハラ語話者には「THOYOTHA」に聞こえる。
しかし「TOYOTA」というローマ字表記をシンハラ語で発声すると、良く使う表現で言えば「ベロを上顎に付けず、喉奥で発声する」感じで発音することになる。
無理矢理書くと「トゥヨトァ」?


音声文字変換
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というアプリを使ってワタシのシンハラ語を検証すると、例えば数字の「7」は良くても「8」が上手く発音出来ていないという事が判る。
「7」は「hatha」、「8」は「ata」とならねば間違い。
実際には、このアプリではアラビア数字で表記されれば正解。
(アプリ自体の精度は置いときます)
「7」は日本人的には簡単。
普通に発音すればイケる。
「8」を日本人的に発音すると「atha」となり、それはシンハラ語的には「腕」を意味する。
つまりアプリではアラビア数字の「8」が表示されない。


ここに表記の難しさを感じるのだ。
日本語における「た」の発音は総じて「tha」に近い。
しかし表記としてのヘボン式ローマ字には、それが無い。
我々が「ta」で出している音が「tha」だという矛盾が生じる。


そして妻に発音矯正をお願いしてトレーニングしたところ、11年目にして自分なりに「ta」の発音方法が理解できた。
「ベロを上顎に付けず、喉方向に丸めて、、、」と妻は言うが、それは長年の慣れがあればこそ。
これを意識すると、前の音との連続性が上手く確保できない。
日本人的には「歯を閉じて口腔内で舌を自由な状態にする」ほうが楽かと思う。


自分で発音できない音は聞き取れないと良く言うけれど、実際にそう。
ワタシは、今となっては耳コピで新しいシンハラ単語を覚えているのですが、「ta」なのか「tha」なのかの違いを認識していない。


しかしこれからは違う。
レベルアップ。






と言っても限界はある。
ですが実は簡単な見分け方がある。
単語中に来るのは殆どが「tha」、つまり日本語的に「た」を発音すれば良い。
つまり意識せずに発音できる。
そして「ワタシに」「どこに」などの目的格として語尾変化で頻出する「た」は「ta」で、少しこもった音になる。


通常はこのぐらい簡単な認識でイケる。


いや勿論、知識としては知ってましたよ。
ただ発音の区別が明確にできて無かっただけで。
あと、この例に倣わない場合も多くあるし。





でもまぁ、今回の撮影に限って言えばそもそも外国人の役なので、そこまで正確な発音が必要なんですか?っていう疑問はあるけどね。