スリランカ国民よ、、、

まずは、この写真を見てください。



Facebookに投稿されたポストからの引用です。
ATMから引き出した5000ルピー紙幣に印刷されたシリアルナンバーが連番だったことから、投稿者は「紙幣を発行しすぎ」と発言。
そして紙幣に記された日付が2020.08.12だったことから「2021や2022にプリントされたものが出てきたら、インフレになる」と言っています。


これに対するコメントでも
「プリント日時を改ざんしてる?」
「誰か2021年の紙幣を見ましたか?」
「ワタシもATMからひきだしたら、こうでした」
などなど。


えーっと、大丈夫ですか?


紙幣というのは汚れやダメージで、いつの日か使うことが出来なくなる。
それは銀行預金を経由して中央銀行によって回収・交換されて再度市中に出ていく。
日本でも耐用年数は一年から五年。
これは使用頻度の高い千円札と頻度の低い一万円札で差が出る。
ATMでまとまった金額を引き出せば、連番となる可能性は高い。
その連番を見て、紙幣発行数が増えているとは言えないのです。
日常業務の範疇ですから。
だからといって「増えていない」とも言えない。
これは財務省のデータを見なければ判らない事。
そして紙幣に印刷されている日付が発行日だと勘違いしている人の多いこと、、、。
これは日付の横にある財務大臣中央銀行総裁の就任した日付です。
どちらか一方でも入れ替えが発生すれば、そこから日付が刷新されて、新しいデザインとして市中に出回る。
財務大臣中央銀行総裁もつい最近まではゴタバヤ政権下で安定してましたから変更は無かった。
この4月ですかね?変更されたのは。
なので今後は2022.04で新デザインの紙幣が発行されるはずです。


事実として財務省はルピー紙幣の印刷を増やしてはいる。
投稿者やコメントしている多くの人は、2020年の日付で印刷されたものが新札として出てくる状況に遭遇し、新しく印刷したものが倉庫にしまってあるとでも思っているのでしょうか?
そう思い込んで、今後大量に市中に出回るとインフレになると?


良くある。


スリランカで毎度のように遭遇するシチュエーション。
ミスをした人に「なんで?」と聞くと「〇〇だと思ったので」と。
なのでいつも伝えます。
「思っちゃだめ。確認して」と。


一次情報(自分自身の体験に基づく情報)は大切ですが、そこに思い込みやバイアスが無いかどうかは常に考えなければならない。
二次情報(他人からの伝聞)は、もちろん余計に慎重にならないと。
情報というのは、誰が(発信元)何を元に(根拠)いつ(鮮度)出した情報なのかが重要。


今回のは発信者の経験なので一次情報。
ですが、日付に対しては思い込みで発行日だと書いてしまった。
鮮度は高い。
これに対し、フォロワーが二次情報として接する。
発信者は人気のあるページのライター。
でも、その人が経済について知識があるかどうかは不明。
そして思い込みで書かれた内容を鵜呑み。
鮮度が高い分、そして同じ経験をした人が多くて、さらに一次情報としてコメントに書き込むことで見かけ上信頼性が増していった。


怖いですねー。
外国人ですら調べればすぐに解る情報を、間違って鵜呑みにする人たちの多さ。
そりゃ簡単に騙されるわ。


知識じゃなくて情報の扱い方なんです、、、って言いたいけど、それも違う。
真偽を確認するのは時間と手間が掛かる。
確かにこれは知識じゃないね。
でも、それ以前に「これって本当なの?」と疑うには、それなりの知識が必要なんです。


自分が信じたい情報を信じる人が多いので、こうなるんでしょうかね?
しかし、この状況を考えると「政府に不信感を持っている人は多い」ってことも言える訳で、現政権の打倒には良い傾向。
そして、この「情報に疎い国民」が次の政権に食い潰されなければ良いな、と思うのです。