値上げ スリランカ

妻からの情報によると今月からスリランカの一般家庭の電気料金が75%あがるとか。


受益者負担という意味では、致し方ないとは思う。
低所得者は収入に対する支出(特に生活必需品)の割合が高所得者よりも大きい。
従って消費税の増税は税負担比率(負担額ではなく、収入に占める税の支払い率)が大きくなる。
なので、VATを増税するよりはマシなのかも知れない。


先月の物価上昇も対前年比で90%(食品関連)だった。
今日のニュースでは卵が再値上げされて一個60ルピーになるとか。
円換算で20円超えます。
日本とほぼ同じ感じですかね。
スリランカの月収中央値が91,600ルピーとか。
個人的には信用できない数値ですが(多すぎると思う)、これでも円換算で34,000円。
日本の中央値が33万ぐらい(ボーナスなどを含めた年収を月収に換算)。
つまり10分の1です。
なので、日本で言えば卵一個に200円払う感覚です。
今調べたら、烏骨鶏の卵だって150円でしたよ。
ただ一個1500円とかする卵もあって、購入困難なほど売れてるらしいので、日本は恐ろしい。
そんな風に一つの「卵」という商品で選択の幅があると言うのが、日本の凄いところ。


久しぶりに日本でスーパー行ったら頭が痛くなったもんね。
商品が多すぎてどれを選べば良いのやら。


前大統領のゴタバヤがシンガポールからタイに移動したというニュースもあった。
セキュリティ上の観点から、当初はプーケットに行こうとしたゴタバヤはドンムアン空港に隣接する空軍基地に着陸するように指導され、バンコクのホテルに。
タイ政府からは「恒久的な亡命地へ移動途中の一時的滞在」が許可されたとか。
ホテルから出ることは許されず、政治的活動の一切も禁止された。


恐らくは豪華な食事を素晴らしい部屋で楽しんでいることでしょうが、心の平安とは程遠い。


新古今和歌集に集録されている西行の歌に
「心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮れ」
というものがある。
俗世間(感情)を捨てて出家した西行が、そんな自分でも鴫(シギ)が沢から飛び立つ姿を見ていると深い感動が呼び起こされると歌っている。


ゴタバヤと似たような状況ですが西行の言う「あはれ」は「もののあはれ」。
しみじみとした情緒や無常観に基づく哀愁です。


ゴタは「哀れな人」という現代語的用法。


人生の最終盤期を、こころ穏やかに過ごせないのはキツイですね。