木を伐採する

家の裏に大きな木がある。
名前は知らないが、小さな小さな花を無数に咲かせている。
それが堪らなくウザい。


すいませんねぇ、風流なことが言えなくて。


いや、実はその花がうちの屋根に積もって面倒なのよ。
掃除しないと見苦しいし。
うちは屋根の水を樋で集めて、食器の予備洗浄とかトイレに使っている。
その水も落ちた花の生体酵素のようなものが溶け込んで、
ひどい悪臭を放つ。



しかも、こんな感じで家の真裏、真上に位置しているため、
雨やなんかで地盤がゆるんだり、風で揺らされて・・・
なんてことを考えると怖くて怖くて。


今までも何度か切ろうと考えたらしいのだけれど、
隣の家との境界線上に生えているので、これまた問題。
切ろうとすると、「それうちの木だから切らないで」と言われる。
危険なのでと訴えると、
「そのうち切るわよ」との返事。
いよいよ大きくなって手が出せなくなってくると、
「あんたらの木なんだから、なんとかしなさいよ」
・・・??
はぁ、スリランカ通常運行です。


まぁ、そんなこんなで伐採を決意。
といっても、そこらでココナッツの木に登っていたオッサンを捕まえて、
「切って」
というだけで済む。


1000ルピーでOKというオッサン。


いきなり木に登り太い枝をナタで切りつけていく。
バキバキという音とともに、枝が落下。
ヤッてくれるぜ、オッサン!!


いや、マイナスの意味ですけどね。
カッコイイ!! じゃなくてね。


太い枝が、うちの屋根の上に落下。
トタン屋根をぶち破って、家から木が生えてる??って感じに・・・。
まぁ、トタンは予備があるからいいけどさぁ、
こんなんじゃ、金払わねえぞオッサン。



まぁ、そんなこんなで太い幹を残して、大方終了。
オッサンにお茶を出して、金を渡す。
「えへへ、屋根、ごめんね」


まぁ可愛くないけど、謝ったから許すとしよう。




午後になって、そのオッサンが別のオッサン(オッサンB)を連れてきた。
以前から、木を切るなら材木として売って欲しいと言っていた奴だ。


前は、
「500ルピー払ってくれれば切ってあげるよ。
 その代わり、木は持ってくよ」
という感じだったのに、今日は
「500ルピー払うので木を売ってください。
 残りの幹を切るのはこちらでやりますので」
からの交渉スタート。
我々としては、枝打ちするのに1000ルピー使っているので、
できればそれを回収したい。
オッサンBも、随分前からあの木に目をつけていたようだし、
これは、もう少し頑張れるなぁと思っていたら、あっけなく
「2000ルピー払うから、お願い!!」
と言ってきたので、そこで交渉成立。


幹を切る手間も無いし、トータルで1000ルピーのプラスだし、
こんなもんでしょう。


屋根は・・・まぁ仕方ない。
ボロになってきてたし、ちょうどいいタイミングだと思うことにしよう。