エンリケと大統領

先日20日に行われたエンリケ・イグレシアスのライブイベントに関して、大統領が激怒しております。


スリランカ東部のアンパーラで政治集会に参加した大統領は演説で「この野蛮な行為に対して、毒のあるアカエイの尾でムチ打ちにするべきだ」といったそうです。
何もエンリケが悪いわけではありません。
このイベントで興奮した女性の観客が、ステージに駆け上がり我らが「Hero」にキスしたり、身につけていた下着(ブラジャーのようです)を投げたりしたそうなのです。
これに対して「この女性をムチ打ちにしろと言っているわけではなく、イベントの主催者に言っている」と。


アカエイの尾でムチ打ちにするというのは、犯罪常習者にかつて課されていた刑罰のようです。


まぁ、スリランカは男女関係に関しては基本的には保守的ですし、人前でイチャつくのも御法度だったりする。
「恋人たちの公園」なんてものが準備されて、そこでなら多少大目に見ますが公の場では夫婦でも場合によっては警察に拘束されたりする。
そんな状況のスリランカでは、ライブで興奮した女性が行った行為は「野蛮」と言うしか無い。



それにしても「アカエイの尾」なんて、痛そうです。
返しがついてるから刺さると抜けないし、激痛だと聞いたことがある。
場合によってはアナフィラキシーショックで死ぬとか。
イヤですねぇ。


あと、ブラジャー投げつけるってどう言う心理ですか?
「憧れの人に自分の履いていた下着を投げつけて、彼がそれに触れた」という事実に興奮してるわけ?
それって、ブラジャーを自分の分身としていて、その分身が性的対象であるエンリケに絡みつくことであたかも自分がエンリケと擬似的に性行為を行っているように感じるということですか?
接触性愛(広義での痴漢行為)と露出性愛とのハイブリッドですかね?
良く分かりません。


まぁ、こういった行為をした側の心理は置いといて、された側はどうなんでしょうか?
キスとかなら、どんな女性(良くも悪くも、たとえ男性)でも、エンリケクラスなら何の気持ちの変化も起きないことでしょう。
それがブラジャーになるとどうでしょうか?


変わんないか。


エンリケは、満面の笑みで応えてくれることでしょう。
エンリケですからね。


ということになると、被害者の居ない行為ということになってしまう。
いわゆる「公序良俗を乱す行為」という範疇ですね。
売春と同じカテゴリー。


今回の行為に対して大統領が使ったのは「下品で野蛮」という言葉。
一般のスリランカ人が売春に対して抱くイメージと共通するものが有るのかもしれません。