就職難

最近は夕方に通り雨のような感じで降ることが多いですね。


昨日起きた事件。
大統領官邸付近でデモを行っていた団体に対して、警察による放水及び催涙弾が使用された。
デモの主催者は、就職口を与えられなかった大卒者の団体。


スリランカでは大学を卒業し希望すれば公務員になれる(らしい)。
大学まで無料で勉強して、さらに就職口まで世話してもらえるなんて、至れり尽くせり。
高学歴者の国外流出が及ぼす影響は、随分と前から語られている。
その状況下で、まともな就職口が無ければ国外流出に拍車がかかる事を懸念して、就職の斡旋まがいのようなことを政府が行うことになったのだと思う。


しかし、実情はどうでしょうか?


どこの国でも同じように、優秀な学生というのはグローバルに活躍できるため、高収入高待遇を求めて国外に出てしまう。
政府が公務員としての就職を斡旋しても、そこに飛びつくのは覇気のない学生ばかり。
いや、覇気はあるか。
デモで大騒ぎするぐらいだから。


まぁ、大学進学率が5%とかなので、人並な大学生と云えど、基本的には優秀な人間だと思われる。
でも、彼ら彼女らの考え方としてあるのは、「冷房が効いた部屋でパソコンを使ってする仕事に就きたい」とか「公務員だとローンが組める」とか「給料が安くても仕事が楽で偉そうに出来て年金が出ればいい」とか、そんな所。


いやぁ、スリランカの未来は明るいね。


難しいのが、優秀でやる気があって民間企業に就職した学生でも、海外で就職した人間の話を聞いたりしてすぐに心が揺れて離職してしまう人が多いということ。
それは彼らの持つ当然の権利だし、何の文句も無い。


でも、国としての考えはどうなんでしょうか?
高等教育を無料で提供した挙句、外国での労働力として出て行ってしまう。
結果として、国の発展には寄与せず、税収も上がらない。
このままで良いとは思えない。


私も大学まで国公立の学校でしたし、協力隊という税金を大量に投入した事業に参加しました。
普通の民間起業で働いている人よりは税金を多く使用している。
で、今はスリランカ在住。
もちろん日本に対して税金を払う義務はないし、事実払っていない。


国に貢献しない人間という意味では、同じ事か・・・。


生活費が安い分、国外に出たランカ人は将来的に歳をとってから帰国する可能性が高いし、長い目で見れば出稼ぎと同じとも言える。
そう考えれば、外貨を稼ぐ手段として高等教育を授けるのは有りなのかもね。