仏教解説

昨日、デーワーレという言葉をさらっと使いましたが、実に説明しづらいものの一つ。
簡単に言ってしまえば「祠」とか「社」といった感じなんでしょうけれど、ざっくり言うとインドに起源を持つ神様を祀った場所。
しかし、インド、スリランカ、日本とそれぞれの宗教観が異なるため、非常に厄介。


以下は、仏教側から見た流れですので、悪しからず。


インドで起こったバラモン教の僧として修行したことで、これでは悟りを開けないと感じて独自に瞑想を行うことで悟り得たのが「釈迦(仏)」。
初めは誰にもその教えを説こうとしなかった釈迦に対して、民衆へ説くように説得したのはバラモン教(後のヒンドゥー教最高神ブラフマー
「説得した」とすると、釈迦仏よりブラフマーのほうが上位なのかと思ってしまうけれど、悟りの境地に達していない自分を含めた全ての存在に教えを授けるようにお願いしたという方が実情に近い。


バラモン教における最高神であるブラフマーが釈迦仏の下に置かれた瞬間です。


これによりブラフマーは仏教を守る神(守護神・天部に所属する)として梵天の名が付与される。
最高神が仏教の守護神として組み込まれたことで、その他のバラモン教の神々も同様の流れに置かれる。


日本を代表とする大乗仏教では、至高の存在である「仏陀」の他にも多種多様な存在が許されている。
前述した「釈迦仏」を始めとして、釈迦以外にも悟りの境地に達した存在を総称して「如来」と呼んでいる。
密教系の最高神である大日如来とか、阿弥陀如来薬師如来なんかが代表。
これは、悟りを開いたのが釈迦だけだとすると、今後はどのような修行をしたところで悟りの境地には達し得ないのではと不安になった過去の仏教界で生じた運動で産まれた存在と言える。
これの結果として、大乗仏教では過去、現在、未来の各時期において1000人ずつ如来(悟りを開いた存在)が出現すると説かれている。
大日如来とかは過去の如来
で、釈迦は現在の世界で四番目の如来です。
つまり釈迦は1004番目の如来


では1005番目は誰かというと、もう決まってます。
弥勒」です。
56億7000万年後に悟りを開くとされています。
ただ、まだ修行中ということなので弥勒如来とか弥勒仏とは呼ばれない。
そう、「弥勒菩薩」です。
「菩薩」というのは如来を目指す修行者のことになります。
52段階に区別された段階を経て如来を目指している訳ですが、観音、文殊、普賢なんかが知られてます。
あと「お地蔵さま」として親しまれているのは「地蔵菩薩」でして、お偉いんです。
釈迦入滅後は弥勒菩薩が56億7000万年後に「仏」となるまで、現世が仏不在になってしまうので、その民衆の苦しみを救うために現れたのが地蔵菩薩だとされています。


で、その他には「明王」と呼ばれる存在もありますね。
これは密教系を起源とする存在でして、つまり密教系の最高神である大日如来から命を受けて、未だ仏教に帰依していない民衆を帰依させる存在、もしくは悪魔を撃退する能力を持った存在。
不動明王を中心とした五大明王なんかが代表です。


そして天上界の住人である天部を構成するのが、いわゆる護法善神と呼ばれる神様たち。
天界と言っても、彼らは悟りを開いてませんので、仏教上ではそれほどの地位には属していないのです。
天上界と言っても輪廻の一貫ですし、六道で言えば人間界の一個上ですから大したことないのかもしれません。
ここに、最初に出てきたブラフマー梵天)が所属している。
あとは、帝釈天とか四天王(持国天増長天広目天多聞天)、大黒天、吉祥天、韋駄天、歓喜天、弁財天などなど、インド起源の神様がずらりと並ぶ。


ここまで説明してきて、やっと日本の仏教知識の触りが終わった感じ。


長くなったので、続きは明日。