牛の屠殺禁止化

9月の8日。
スリランカ議会は、ラージャパクサ新首相による「国内での牛の屠殺を禁止したい」という提案に対して、与党の全会一致を得たとリポート。


正式な提案では無いが、近いうちに議会に正式提案されるものと見られる。


これで「スリランカで牛肉が食べられなくなる」と早合点してはいけない。
何故なら、牛肉の輸入は禁止されないからだ。


意味が判らない。


現状、スリランカはミルクパウダーを大量に輸入している。
それによって外貨準備高減少への影響も大きい。
国内産業育成も兼ねて、国内での生乳生産及びミルクパウダー増産に予算を割いている。
つまり手っ取り早く外国から乳牛を輸入しているのです。
乳牛が増えれば、それが経済的価値を失った時には処分しなければならない。
屠殺して食用に廻したり、肥料や皮革利用される。


日本では乳廃牛を数カ月飼い直しして肉質を向上させた上で屠殺することもある。が、スリランカではやらないでしょうね。


食用なら、肉質があまりよろしく無いので挽き肉とかになる。


「屠殺を禁止したい」の具体的な内容が判らないので、細かいことは言えない。
食用を目的とした屠殺?
それとも安楽死させてお終い?


いずれにせよ資源の無駄遣い。
乳を生産する以上は、乳廃牛は出るのですから。


仮に完全に屠殺禁止した場合、イコール牛肉と皮革材料は完全に輸入に頼ることになる。
生乳の生産者は収入が確実に減少するし、皮革加工産業にも痛手。
食肉加工業者も同じ。


コロナ以降、多くの輸入品を国産化しようとしている中で、何をしてるんでしょうか?


衣料品も国産推進ということで、公務員は週に一度ほど、バティックや手織り布のサリー着用を義務付けられる可能性も提案されている。
原料の糸や染料はどうするの?という疑問は置いておいて、多少高価で色落ちもするし、メンテナンスが面倒で着心地も悪いものを強制される側の気持ちも考えてあげて欲しい。


ターメリックも輸入から国産化に舵を切り、価格高騰。
ターメリックってスリランカ料理には必須だからね。
なので国産化は悪いことでは無いんだけど、需給バランスは政府で調整しなさいよ。


そんな中での牛肉の脱国産化
アホなの?