設宴

今日も朝から仕込み。


天ぷら用と炊き合わせ用のエビの掃除。
合わせて100匹はあったか。
久しぶりに大量のエビ掃除して、手が真赤に腫れあがった。
甲殻類のアレルギーという訳ではない。
実際食べても何とも無いけれど、
生のエビの殻で手が荒れてしまう。
額角(がっかく)というツノのようなもので指を指すと、
特にひどく荒れる。
今も、右手の人差し指が腫れ上がって、曲がらない。


ま、それは置いといて、
昼過ぎに大使公邸に移動。

20人分の料理。
コースで出す場合の大変なところは、
『暖かいものは暖かく、冷たいものは冷たく』というところ。
事前に準備しておけばOk、という部分が限定されるので、
まさに厨房は戦場と化す。
手伝いのスリランカ人は、手伝いどころか、
邪魔にしかならず・・・。
せめて洗い物を率先してやってくれれば助かるのだが・・・。


忙しくて写真を撮る暇が無かったので、
メニュー構成は曖昧な記憶を頼りに・・・。


先付 胡麻豆腐
椀物 白身魚梅肉、柚子)
向付 お造り
八寸 覚えてない・・・
焼き物(油物)天ぷら(エビの変わり衣、さつまいも、ささげ)
炊き合わせ 季節の野菜(南京、オクラ、にんじん、里芋、赤ピーマン)
ご飯 炊き込みご飯(鰆の幽庵焼き)、赤だし(蓮根の団子入り)、香の物
水物 氷菓子(抹茶シロップ、あんこ)


お客様への盛り付けの最中に、横で見ていたランカ学生が、
切り分けた刺身をどんどん味見していく姿には愕然とさせられた。
「お前はお客様じゃないんだから、仕事しろ」
という俺の注意を手を振って無視しようとする。
そこで、スリランカ人注意時の一番簡単で効き目抜群の一手を。
「サーに言うわ」


「好きにしろ」
という言葉とは裏腹に、すごすごと洗い物に戻る学生。


コース料理を出すときに気をつけるのは、全て多めに作るということ。
サーブする人間が誤って落としてしまった時や、
お客様が、もう少し食べたがるということは良くあること。
なので、余っていてもすぐに厨房で処理(つまみ食い)はできない。
お客様が食べ終えて、器が下げられてから初めて処理する。


しかし、馬鹿ランカ学生はお構いなし。
「これ、余ってるの?」
「まだ、食べちゃダメだよ。お客さんが終わってから」
「俺は、ここに勉強しに来たんだから味を確認しなければいけない」
「・・・?いや、お前は仕事しに来たんだろ?」


みなさん、こんな彼らが来年には有名ホテルやレストランに
旅立って行きます。


明日の文章に続く・・・