スリランカのバスは時として実演販売の催事場になることがある。
ヒョイッと乗り込んできたかと思うと、お決まりの口上が始まり、
盛り上がることもあれば、もちろんそうでもない時もある。
カッターナイフでこすっても剥がれない金メッキのネックレス。
針に一発で糸を通す、お母さんに優しい糸通し。
子供用の絵図付き英語読本5冊セット。
仏教の催事予定が記された仏教カレンダー、などなど。
今日の演者は服についた汚れを一発で落とす、マジッククリーナー。
勢い良くバスに乗り込んできた一人の男。
「皆さんお急ぎのところお邪魔して申し訳ありません。
ですが、これを見てからバスを降りてください」
そんな事を言ったと思うと、取り出したボールペンで自分の着ているワイシャツに
落書きし始めた。
「こんな風にお子さんが学校で汚した服。
今までなら捨ててしまっているところですが、
このクリーナを使えば、たったの一滴で綺麗になります」
そう言いつつ、歯ブラシに液をタラリ。
その歯ブラシでさっさとこすり始めた。
すると、あらビックリ!!
ボールペンで書かれた線が綺麗さっぱり!!
に、ならないところがスリランカ。
ゴシゴシゴシゴシ。
ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ。
「・・・・ほらこの通り!!」
さすがです。
薄い青色のシミが残っています。
残念です。
100ルピーだし、綺麗になるなら買ってもいいと思ったけれど、
これでは無理。
そして更に残念なのは、それでも飛ぶように売れていたこと。
いいのかそれで。