たまたまNHKでやっていた「東海ドまんなか」という番組を見た。
ウィシュマさんに関する内容でした。
今まで見たニュース番組と違い、ウィシュマさん擁護=入管への批判一点張りではなかったけれど、やはり公平性に欠ける印象操作の多い番組だったなという感想以上にはならなかった。
番組はウィシュマさんの幼少期の様子を紹介する内容から始まった。
「毎週のようにお寺に通う信心深い子供だった」と幼少期の紹介をしていたけれども、映し出された映像と語られた内容はダーンパーサラについてだった。
これは自主的な参拝ではなく、学校での宗教の時間の一貫でしかない。
小学校に通常通りに通う子供を評して「真面目な子供だった」と言っているようなもの。
実際には、自分で判断してお寺に行くという思考課程は存在していない。
スリランカの日本語学校に提出した志望動機というものを今回はじめて目にしたのだけれど、そこにはスリランカで語学教師になりたいと書かれていた。
今までの報道では、得意な英語を活かして語学教師になりたいという紹介だったので、日本で英語教師になるというのが彼女の夢だったのかと思っていた。
ですが、実際にはスリランカで語学教師になるというのが彼女の夢だった訳です。
日本語を学ぶ動機はどこにあったのか?
スリランカで日本人相手の英語教師ってこと?
よく分かりません。
やはり、日本語を学ぶ、日本語学校に通うというのは就労機会を得るための口実だったとしか思えない。
そして、来日してわずか一年で退学になった流れは紹介されていなかった。
出席日数が減り、退学処分となった事実は紹介されたが、授業料未払いの話は出なかったし、そこに至る状況説明も無かった。
また、退学になってから入管に収容されるまでの間の話も無い。
喧嘩が絶えなかったとは紹介していたものの、同居していたスリランカ人からの暴行に耐えかねて警察に助けを求めたことも紹介しない。
妊娠中絶の話は他のテレビ番組では紹介されていなかったので、一歩踏み込んでいるとも言える。
また、当初帰国を希望していたが何故その希望を翻して帰国拒否をしていたかについては、同居していた元彼からの報復を恐れてと紹介していた。
これは他の番組でも同じなのですが、ここの真偽についての取材はない。
スリランカまで取材に行っているのに、その元カレは探せていないのでしょうか?
「報復する」という手紙を受け取ったとされているが、その原本は出てこない。
いつもウィシュマさんが書いた日本語(ローマ字)の文章のみ。
これとは別の日記をシンハラ語で書いているのですが、そこにも記述が有るのでしょうか?
退学になってから死亡するまで家族とは連絡をとっておらず、家族からも通常の手段での連絡は出来なくなっていたとされていますが、元カレはどうやって連絡をしたのか?
暴行が逮捕勾留される引き金になっていて、手紙で「スリランカに帰ってくるのを待っている。バツを与える」と書かれていたと言う以上は、元カレはスリランカから連絡をしているわけで、その証拠があればスリランカ警察も動けるのでは無いでしょうか?
また、彼氏彼女の痴話喧嘩ですので難民申請の理由にはならない。
これがまかり通るようでは、借金をしまくって逃げてきた人も難民申請できるようになり(実際は申請出来るが、申請が通るかどうかは別の話)、本来の難民認定のプロセスに大きな支障が出る。
「収容期間中に20キロ以上も体重が減り」という報道も多いが、実際には84.9から65.5で19.4キロ。
そこにも小さい嘘が散りばめられている。
しかも、65.5キロという数字は報道しない。
激やせしたということばかり。
なぜ実際の数字を伝えないのか?
報道する側もわかっているのです、65.5キロが健康を害するような数字ではないということが。
動かない生活で最低限の食事のみを摂取していれば自然と痩せていくのは当たり前ですし、むしろ数値で言えば健康になっていると考える医師も多かったはず。
入管の職員は介護や医療の専門家ではないのですから(ここに問題は有ると思う)、数値で判断せざるをえない。
来日半年で生活が破綻。
実家からの資金援助途絶。
出席日数の不足と授業料未払いで退学処分。
ビザ失効後、二年以上も不法滞在(当初は一年三ヶ月のビザで来日、一年で失効)。
妊娠中絶で自己嫌悪(スリランカの価値観)。
逮捕勾留。
報復を理由に帰国拒否(証拠の品が無い)。
ハンガーストライキによる体調不良。
自己嫌悪からくるメンタルの不調。
客観的な事実を並べると、可愛そうだとは思うけれど入管職員を非難するような心境にはなれない。
「入管の裁量で期限なく勾留される外国人」
ある法律事務所のホームページに記載されている文章です。
これを見て「入管はひどい」と感情的になる人は詐欺に気をつけた方がいい。
この文章の本来の解釈は「強制帰国を個人的な理由で拒否した外国人に対して、税金を使用して滞在する場所を無期限で提供している」です。
こんなに親切な国が他にあるでしょうか?
普通の国なら一般の犯罪者と同様の劣悪な施設に送致されてしまうところ。
入管法違反という主に外国人に適応される法律ということで、一般の犯罪とは区分されて収容されている。
日本にいる外国人は300万人近い。
その中で不法滞在と化している外国人は6万人ほど。
これはコロナ禍で外国人自体が減少したことが理由で、コロナ以前は8万人を超えていた。
(しかもこの数値は瞬間的な数値であり、その年の内に強制退去させられた人数は含まれないし、仮放免になっている人数も含まれていない。)
つまり2万人ほどは強制退去となり、本来ならそこを充当するように不法滞在者が随時発生していたのですが、入国者自体が減ったために総数としての不法滞在者が減った格好。
不法滞在の多い国上位10カ国の中で9カ国は減少したが、唯一増加した国がある。
それがスリランカ。
少し古い情報ですが、令和元年の年末における帰国拒否者の国別人数ではスリランカが一位。
在留外国人としての人数は多くないのに、不法滞在している人数や犯罪率が高く、さらに帰国拒否者が多いというのがスリランカです。
彼らのような不法滞在者は様々な理由(ハンストによる体調悪化も含まれる)で仮放免が認められ、その仮放免中に犯罪を犯すことも多い。
スリランカ人の帰国拒否者のうち4人に一人は、不法滞在で収容された後に仮放免されて、その期間中に犯罪を犯して再収容された人。
つまり帰国拒否者の四分の一は追加で一般犯罪を犯した人間ということです。
この外国人一般犯罪者(不法滞在の後に仮放免されて、さらに窃盗・薬物・傷害などを犯した人物)が難民申請をした場合、国はこの申請を無視できない。
通常は、難民申請中は仮放免されてその間は就労が可能。
ここには大きな問題が有る。
再勾留された一般犯罪者は、普通に考えて仮放免できない。
なので難民審査が終わるまで、長期勾留するしか無い。
審査が終わって、申請が通らなかった場合、申請者は再審請求が可能。
こうして長期収容が続くわけです。
あなたの税金で。
この状態は誰が考えても異常なので、法律を改正するということになっているのですが、感情で物事を考える人達はこれを「外国人の人権を無視している」と噛みつく。
外国人にも人権は有る。
当たり前。
ただ、まっとうに暮らしている日本人、まっとうに暮らしている外国人が優先なのは仕方のないこと。
信賞必罰は国の有り様としては当然のこと。
難民申請者は、我々が思っているよりも保護される。
過去には難民申請が棄却された数日後に強制帰国させられた人物が、再申請の機会を奪われたとして裁判を起こし、損害賠償が支払われた事案も有る。
これもスリランカ人です。
不法残留した結果、スリランカ人の一般的な年収以上に相当する金額を手に入れている。
これに心から納得の行く人は、少数派だと思います。
入管法の改正は必要。
もっと国民感情というか、ふつうの感性で法律改正してほしいですね。
それが、まっとうな外国人の立場を守るものに繋がると思います。