ドライバーさんの扱い

本日付けでプロジェクトのドライバーさんが一人辞めていった。


プロジェクトでの車の扱いは、配車手配の会社と契約して、その会社から車とドライバーさんを供給してもらっている。


今のプロジェクト。
取り敢えずの山場を超え、日本から来ていた専門家の方々は帰国。
それに伴って車の台数も絞られるわけですから、結果としてドライバーさんが余ってくる。
配車手配の会社としては、別に供給先が増えない限りは、使う場所が無いのだから仕方がない。


しかし、ドライバーさんから状況を聞く限りにおいては、今回のケースは少し変。


配車手配の会社としては、いつの段階で何人のドライバーが必要で、予備役も含めて総勢何名という計算は容易に可能。
なので本来であれば、通常の雇用形態で数名確保して、繁忙期にはスポットで雇い入れるというのが通例。


なのに今日辞めていったドライバーさんは、今日に至るまで雇用契約の解除を伝えられていなかったらしい。
つまり長期雇用を前提とした雇用形態であったにも関わらず、事前通告もなく解雇。
EPFやETF(どちらも日本の社会保険に相当するもの)も振り込まれておらず、正直コレは結構な処罰の対象になる。
会社として人を雇う場合の義務ですので(家内工業の場合は例外)。
支払遅延だけで見ても、遅延期間に応じて5%-50%の追徴金を求められる。


払い込みを避けるために、給与への上乗せをして相殺することも、たとえ雇用者と被雇用者の間で合意があっても違法。
会社対会社のような業務委託という形で、数ヶ月単位の契約を結ぶことで回避は可能ですが、これも会社登録のない個人事業主相手では、グレーな感じが否めない。



また、通例として契約満期で雇用解除する場合は、数千ルピーほどの慰労金を支払うのがスリランカのスタイル。
これも今回は無かったそうだ。




で、ちょっと格好の悪い話として、配車手配の業務状況が改善すると、こうして解雇したドライバーさんを、呼び戻そうとするところ。
そりゃぁ双方の問題なので合意が有れば良いのですが、罵倒して解雇した従業員を、猫なで声で呼び戻すというのもねぇ。
そんな状況でも戻って来ざるを得ないドライバーさんの状況を思うと胸が痛いし、罵倒しても戻ってくるという状況のドライバーさんに対しては、雇用する側がまっとうな対応を取るように状況が改善していくとは思えない。


ドライバーさんが私に言いました。
「明日、ドライバーが一人居なくなったけれど、どうしたの?」
と聞いてみてくださいと言われた。
続けて彼は言った。
「多分、『父親が病気で看病するから』といって辞めって行った、とか説明しますよ」と。




ただ救いだなと思ったのは、
「普段は物凄く面倒見の良い人なのに、解雇するのが上手じゃないんですよね」
と、そのドライバーさんが言っていたこと。
「また今度誘われても、私は二度とあの人の下では働きません」
とも言ってたけどね。


雇われる側がまだまだ立場の弱いスリランカ
法律では、かなり強く守られていますが実態が伴ってませんね。