以下、便所の落書き

これまでに150近い家が襲撃や放火に見舞われて居ますが、多くは与党国会議員やその支持者である地方議会議員の家。
中には暴力行為を実行したプロサポーターがSNSで特定され、その家が襲われたって事もあるらしい。
5/9当日は、わざわざ「○○の家は✕✕に有りますが、まだ燃やされていません。別に『燃やせ』と言っている訳ではありません」などと暗に扇動する輩もいました。


最初に火を付けられた与党幹事長宅には80を超えるガスシリンダーが備蓄されていたと言われており、また別の議員宅では一般では販売禁止(後に解除されたが輸入制限で店頭には無いはず)の尿素系肥料が山積みだったとか。


これとは別の話で、農水省の大臣は有機肥料を製品化したと言って配下である職員に分析結果を提出するようにサンプルを渡して指示したのですが、分析した職員は「化学肥料(尿素)成分が多く検出されていて、レポートが作れない」と嘆いていた。
職員からすれば、大臣の意向に逆らうのも無理だし、嘘のレポートを作成するのも無理だしって所なのでしょう。
ちなみにコレは職員から直接聞いた話です。


支持者への利益誘導どころか、自分自身の管轄である分野で事前情報を元に不正に富を集積し、しかも現在のレギュレーションすらも満たさない商品を売ろうという、二重にも三重にも国民を裏切る行為。


国会議員として在職中は新たなビジネスの禁止、自身の家業がある場合はそれと関連する業務には従事させない、資産の開示、職業斡旋の禁止。
少なくてもこれぐらいの事が次の内閣で提案されなければスリランカの国会に自浄作用が在るとは思えませんね。


あと、天邪鬼のように思われるかも知れませんが、マスコミやSNSで語られるGotaGoGamaに関して「平和的に行われていた集会」というのは美化し過ぎかと思う。
もちろん、殆どの参加者は平和的だったし、ある種フェスのような感じで政治的な目的で集まっているとは思えない雰囲気だったのは間違いないですが、一部ピリピリとした人たちが居なかったかと言われると、実際には居ましたし。
多数の人が集まっていたわけですし、報道されていない事件事故は発生してました。
それすらも送り込まれたプロサポーターによる仕業だと言われてますが、人間はそんなに立派なもんじゃない。
数千数万の人が完全に同じベクトルで存在しているはずがありませんから。


さらに「宗教や民族の垣根を越えて一致団結していた」というのも、違和感が無くもない。
外国人でも問題なくGotaGoGamaには参加出来るというのも、西洋人に限る事だと思った。
実際に中国人顔のワタシはGotaGoGamaでは嫌な思いをしましたし、国内の団結とは言いつつもマヒンダ支持者の多い地域を揶揄する人もいた。
東洋人への嫌悪感は燻っていたし、分断する区分けというか境界線が移動しただけな気がする。


別の観点では、一人では無理でも何人かでやれば怖くないという心理も見えた。
これはプロサポーターとGotaGoGamaの両方でね。
酷いのだと、誰とも判らない人がリンチされて居る場面にバイクで通り掛かった人間が飛び降りて暴行に参加し去っていくなんて言う映像もありました。
「襲撃された家から盗難しているムスリムを注意したら殴られた」という出処・真偽ともに不明な映像も出てきて、これをもって「ラージャパクサたちは新たな分断を画策してる」と言う。
でも、個人的にはこれも違うと思う。
誰にも真偽は判定出来ない以上、踊らされてはいけないと呼びかけるべき。
「分断を画策してる」と注意喚起すれば、この件に関してはムスリムとの分断は防げるかも知れない。
でも仮に画策している何者かが居た場合、その人物の下についている、分断工作の意味すら理解してない多くの人との分断は避けられない。


襲撃された家から物品を盗む輩も多く居て「大きな泥棒を排除する過程で小さな泥棒行為をするのは辞めよう」と呼び掛ける人も多い。
立派な考えです。
GotaGoGama参加者が病院に運び込まれるプロサポーター負傷者をブロックしていたりして、医者に「どのような立場でも患者を治療するのが医者だ」と叱責されている動画もあったり。
この医師は尊敬できる。


こんな風に、自分と対立する人には何をしても構わないという風潮が見られるというか、いずれ時が経ってプロサポーターを殴っている映像を見せながら武勇伝のように語る人が居る未来が容易に想像できるというか。


巨悪を排除するには多少の違法行為には目をつぶることも仕方のない事だと考えて居るのでしょう。
自分の子供に誇らしげに語れる行為なのか考えて行動してほしいですが、彼らは恥ずかしげもなく吹聴するのでしょうね。
子供も、それを恥ずかしい思いを抱きながら見る事も無く、こうした観念は受け継がれて行くのでしょう。


「批判ばっかりしやがって、どうすれば良いかを語れ!!」と言われるかもしれません。


個人的には何も出来ません。
ワタシには選挙権も在りませんし。
ただ、今回の事に限らずですが、SNS上に流れて来る雑多な情報に流されず自分で精査して判断して欲しい。
そして客観的に自分を見る事を諦めないで欲しい。
具体的には、いかなる違法行為も正当化するべきでは無いし、法治国家である以上は悪法であっても尊重すべき。
その法律を認可した政治家たちを送り込んだ自分たちを恥ずべきだし、可能な限り正当な手続きを踏んで法改正するべき。
スローガンとしてのGotaGoHomeは良いけれど、その後の政府に要求する事柄をそろそろ打ち立てる必要もある。
一国一法を望むのも良いでしょう。
とても魅力的に見えますし。
スリランカには通常の法律と同時にキャンディアン法とイスラム慣習法が併存して居る。
もちろん、彼らの望む一国一法は権力者にも通常の法律を適応させて特権を廃止しろって言う事だと言うのも理解している。
常に問題となるのは、立派な法律があっても運用面で綻びが目立つって事。
契約書のサインや法の原則が軽視される国では、立派な法律もただのお題目でしかない。
加えて悪法もある状態では、警察官なんかの恣意で対応が変わる。
生活のままならない状況で、国家を考えて投票するのも現実的では無いでしょう。
けれども、次の選挙だけでも人や甘い言葉ではなく、国に対して何を為すつもりなのか具体的き語られる政策を判断基準にして投票して欲しい。
現状では大きな政府を標榜している政党は現実的では無いでしょうし、痛みの伴わない改革を謳う政治家も信用出来ないと理解するべき。


とは言え、これも全て外国人しかも収入が止まっても生活できるだけの蓄えのある人間が外野から勝手に言っているだけの話で、実際に明日の米すら買えない人からすれば少しも響かないものかとは思う。
お前如きが天下国家を論じるなとも言われそうですし。
なのでこの辺りで便所の落書きは辞めて、今日も犬の散歩に行ってきます。