計画中断の英断

コロンボ・ポート・シティ(CPC)の開発が、
取り敢えずではありますが中断されました。


理由は計画の透明性が低いということと、
環境アセスメントが行われていないということ。


CPCは中国の民間セクターが1500億円ほど掛けて行う
スリランカでも特大級のプロジェクト。
コロンボ港の南側、ゴール・フェイス・グリーンの
北側沿岸を埋め立てて、一大商業都市を作り上げる計画。
ホテル、カジノ、ショッピングモール、高級マンション、
ヨットハーバー、ミニゴルフコース、F1コースなどなどが
予定されている。
ドバイのパーム・ジュメイラ的な感じの、縮小版です。
中国企業は造成費用を負担し、埋立地の一部を
スリランカ政府に委譲する。
残りの敷地を99年リースで貸し出すことで利益を得るという
ビジネスプラン。
そこは中国政府も大きく関与していることでしょうし、
出来上がった街は中華街としての機能が期待される。
スリランカにはまとまった形での
いわゆる中華街というものが無いですからね。


2014年の9月に始動して以来、すでに6ヶ月。
全体の計画を39ヶ月で終了させるという、突貫工事。
既に15%ほど終わってますが、
埋め立てはどこまで進んだんでしょうか?
最近見てないので詳しいことは分かりませんが、
2ヶ月前の段階で、かなりの敷地が造成されていた。


これで、例えば白紙撤回ということもありえるのかな?
契約を見直して再スタートがシナリオなのかな?
主導する中国企業にとっては、
この中断で莫大な損失が発生するだろうし、
資金繰りが厳しくなれば撤退の可能性もある。
その時に、再スタートしようと思っても、それは困難。
スリランカと中国の思惑がぶつかるところ。


それにしてもF1コースとか・・・。
前大統領ファミリーへのおもねりとしか思えない。


で、例えば再スタートの場合は、色々と計画変更も
含まれることでしょう。
カジノに対する風当たりも強い昨今。
F1コースも不必要。
中止の場合は、埋め立て済みの土地はどうするんでしょうか?
原状復帰するにしても、どえらい金額が掛かるんじゃ?