権利要求すら出来ない状況のメーデー

今日はメーデー
「本来は」と云う話を始めてしまうと色々とややこしいので、現代の、特にスリランカにおける「メーデー」について書きます。
しかも上辺だけの話ね。


スリランカは日本との比較で言えば、労働者の権利保護に厳しい。
自然、メーデーの活動も活発に行われ、政治家とその支持者の先導でパレードを行うのが常。


ちょっと古いけれど2017年のパレードは大規模でした。
選挙との絡みがあったからでしょうか?
その時の様子がこちら。









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https://srilankamirror.com/news/2918-largest-crowd-at-mahinda-s-rally


報道では10万人以上の労働者が、この一ヶ所に集合していたとか。


それが今年はどうでしょう。
もっと言えば去年からですけどね。
大規模な集会どころか外出もできないとか、大変なことです。


スリランカ労働者の現状で言えば、世界中に出稼ぎに出ている人たちも影響を受けている分、去年のテロよりも厳しい。
これはスリランカの経済に壊滅的なダメージを与える可能性もある。
ある、どころじゃないか。


2019年。
出稼ぎ労働者からスリランカに送金された金額は67億ドル。
これはスリランカ貿易赤字額の実に84%をカバーするものだったとか。
2020年。
2月末からのコロナ禍で、これまでに1/6ほどが消滅したことになる。
それで、84%の1/6部分に相当する貿易赤字がカバーされなくなるかと言うと、そういう話にはならない。
なぜなら貿易自体が急激に萎んでいるから。
その意味では影響は大きいけれど、相対的なダメージは減衰されうる。
ただ、個人のレベルでは話が異なる。


数で言うと、11世帯に一人の割合で出稼ぎ労働者が居る計算になるらしく、その送金額は平均して月に40000ルピー。
今のレートで200ドル。
これを頼りに生活していた人、ローンを組んでしまった人、どうするの?


貿易の縮小でインフレ加速。
大黒柱の収入途絶。
先行き不安でストレス増大。
極限状態から犯罪激増。
身内を守るため排外主義の正当化。
外国人への、、、。


この先は考えたくも無い。


何も不安感を撒き散らしたいわけでもなく、スリランカは危険だと言いたい訳でもない。
ただ、頼る組織を持たないフリーな移住者の身としては、最悪の事態は常に考えておく必要はあるのかなと思う。
これはコロナ戦争下の今だけに限らないですけどね。


話が飛び飛びっぽいので、この辺りで切り上げます。