肩を落とす

出刃包丁が肉厚で、片刃だというのは皆さん御存知?
裏は真ん中が漉いてあって、切った食材がくっつかないようになってます。
片刃のほうが鋭角なので、切込みも良く、いわゆる切れ味が良いと言うのはここから来るもの。
ただ、出刃包丁自体が肉厚なので野菜とかを切ると食材が割れてしまうことも。
切れる前に刃の厚みで押す事になり、割れてしまうのです。
あと、真っ直ぐ切るのも向いてない。
片刃の特性です。


いわゆる万能包丁は刃の厚みは薄い。
刃は両刃。
真っ直ぐ切れるけど、やはり刃が鈍角なので(片刃に比べて)、切れ込みが悪い。
薄刃なので食材が割れるようなことは無い。


ワタシの持つ包丁は六本。
小出刃 鋼、片刃
骨スキ 鋼、片刃
牛刀 vg_10ステンレス鋼、両刃
ペティ1 vg_10ステンレス鋼、両刃
ペティ2 カーボンスティール 両刃
柳葉 ステンレススチール 片刃


問題は、ペティ1のもの。
鋼材自体も良くて切れ味は良いのですが、食い込みが悪い。
刃付けが鈍角なんですね。
なので肩を削って鋭角に仕上げる。
これにはかなりの労力がいる。
削る量が多いですから。

今までは元々の刃が付いていた角度で研いでいたのですが、刃の肩を落として落として落としまくって刃に届くまで削り続ける。
砥石が勿体ないのでダイヤモンドシャープナーで大まかに削り落として仕上げを砥石でやる。


薄刃の包丁でコレをやると、場合によっては脆くなる。
ちょっとした衝撃でチッピングしてしまい、取り扱いが面倒。
でも、今回はなんとか成功。


例えばハムのように密度が高く水分が少な目の食材を薄く切る場合、今回の仕上げだと思った通りの薄さで綺麗に切れる。
食い込みが良いので食材が潰れない。


出番の多い包丁ですから、少しでもストレスが減るのは大事。